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昨年は、W杯の日韓共催、ノーベル賞のダブル受賞、北朝鮮拉致被害者の帰国等の明るい話題もありましたが、イラク、北朝鮮問題等一昨年の米国同時多発テロ事件以来、テロや戦争の脅威が依然として世界中を脅かし、国内では株価がバブル後最安値を更新する等深刻な不況が続く一方、無登録農薬問題、食肉偽装事件等に伴い、食の安全性がクローズアップされ、今後の生活に不安を感じさせる報道が多かった年でもありました。また、国内農業が米政策大綱の改革、WTOにおける農業交渉等取り巻く環境が厳しさを増す中、農薬業界も需要は停滞傾向にあり、生き残りを賭けたグローバルな再編等、年々厳しさを増しています。さらに無登録農薬問題に端を発した農薬取締法の改正は、使用者責任を問うとともに、消費者との信頼、生産物の安全性を常に意識した生産が求められる事を再認識させられた1年でもあったと思います。
さて、弊社農薬事業について顧みますと、「農家貢献」を合言葉に、地域密着型の技術ベースの普及推進を展開、既存剤の普及場面の拡大と併せ、殺線虫剤「ラグビーMC粒剤」の販売などもあり、当初目標を何とか達成することができました。これもひとえに全農はじめJAグループ皆様のご支援とご協力の賜物と、厚く御礼を申し上げる次第です。
平成15年度は、弊社にとって「新3カ年中期経営計画」のスタートの年となりますが、本年度より新たにFMC社からの導入殺虫剤「カルボスルファン剤」(商品名:ガゼット、アドバンテージ)、「ビフェントリン剤」(商品名:テルスター)、並びに東亜合成(株)からの導入殺虫剤「トアローCT」も戦列に加わることとなり、更なる飛躍を目指し、より充実した体制、製品ラインナップをもって、皆様に貢献できる事となりました。
本年度の重点薬剤としましては、水稲分野では昨今問題となっているSU抵抗性雑草にも高い効果を示す、300mlボトルで低コストの初期除草剤「ワンベストフロアブル」の一層の普及拡大を図るとともに、初中期一発処理除草剤「キングダム(L)フロアブル」、「ウィードレス(A)1キロ粒剤」、本年から販売を開始します育苗箱施用殺虫剤「ガゼット粒剤」、カメムシ類防除薬剤として好評を博しております「MR.ジョーカー粉剤DL」を継続推進してまいります。
一方、園芸分野では、べと、疫病に卓効の殺菌剤「ランマンフロアブル」、環境負荷の少ない殺菌剤「カリグリーン」、殺ダニ剤「アカリタッチ乳剤」、殺虫剤「ガゼット粒剤、MC」、「テルスター水和剤、SC、くん煙剤」の普及拡大を図るとともに、殺線虫剤「ネマトリンエース粒剤」、「ラグビーMC粒剤」、「アオバ液剤」の臭化メチル代替問題も含めたそれぞれの薬剤の特徴を生かした的確な普及推進を図ってまいります。また、従来から全農のご指導で取り組んでおります果樹の紋羽病対策(ストップ・ザ・モンパ)としての「フロンサイドSC」につきましても、適用拡大となりましたキャベツ、はくさいの根こぶ病とあわせて、積極的に取り組んでまいります。
より充実した製品ラインナップのもと、弊社の社是であります「日本農業と豊かな食生活への貢献」を目指し、より安全性の高い信頼される農薬の開発、確かな技術に裏打ちされた地域密着型の普及販売に、全農はじめJAグループ皆様とともに取り組んでいく所存ですので、今後ともご指導、ご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。 (2003.3.14)