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昨年を振り返りますと、相変わらず出口を見い出せない日本経済の低迷が続くなか、農業情勢をみましても、輸入農産物の増加、国内農作物の価格低迷など多くの課題が山積したまま、止めを打つかのような無登録農薬の問題がありました。
「食の安全」をめぐって農薬の安全性と適正使用が大きくクローズアップされるなか、一番困惑しておられるのは善良な生産者と、その技術指導に当ってこられた指導者の皆様方だと思います。日本の農業生産に貢献すべくこれまで長年努力されてこられた関係各位のご努力を思いますと、大変残念であると同時に、失われた信頼を回復するために業界の一員として何ができるのか、何をすべきかを考えさせられた1年でありました。
さて、弊社は、旧ノバルティス、ゼネカ、トモノアグリカの3社が合併して実質2年目となる会社ですが、母体となった各社から継承した優れた製品群と高い技術力をベースに、農家、消費者ならびに食品流通に関わる方々にすこしでもお役に立てる企業になりたいと願っております。
本年度の期待としては、水稲分野における新規製品の上市によるシェアー拡大があげられます。
箱処理剤分野では、一昨年上市した「デジタルコラトップ箱粒剤」に続き「デジタルコラトップアクタラ箱粒剤」を系統独自品目として市場投入します。すでに本田いもち防除剤としてご愛顧いただいております「コラトップ」に新規殺虫剤「アクタラ」を独自の溶出制御技術「デジタル製剤」に配合し長期残効を実現した新規育苗箱処理剤です。また、除草剤分野では系統独自品目「アピロスター1キロ粒剤」「エリジャンジャンボ」の2剤を発売します。「アピロスター1キロ粒剤」は、自社開発の新規ヒエ剤である「ピリフタリド」を含有し、発生前〜ノビエ3葉期までの幅広い散布適期を持ち、減衰深や土質による効果、薬害変動の比較的少ない高性能の初中期一発剤です。
プレチラクロールを成分とする「エリジャンジャンボ」は、初期剤のトップブランドである「ソルネット1キロ粒剤」「エリジャン乳剤の姉妹品で、時代のニーズである省力、低コストに合致する製品として水稲農家のご期待にお応えできると自負しております。
園芸分野では、「アクタラ」「アファーム」「マッチ」「チェス」「セイビアー」「アミスター」、各種天敵昆虫等、弊社の豊富な製品群を生かして「クロップソリューション」、作物、産地ごとの最適な防除プログラムのご提案をして参ります。
一昨年に市場導入した新規ネオニコチノイド系殺虫剤「アクタラ粒剤5」、「アクタラ顆粒水溶剤」は、系統育成品目として順調に成長し、昨秋の大幅な作物適用拡大をベースにさらに一層の飛躍をとげることでしょう。シンジェンタは幅広い製品群と高い技術力をもちまして、多様化する今後の農業生産におけるニーズを満たすべく邁進して参ります。
皆様の変わらぬご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。 (2003.3.17)