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特集:農薬座談会
    農産物への安心・安全に一層の努力

新規剤「BJLシリーズ」
中核的な戦略品目として期待
田中明寛 BASFアグロ(株)営業本部技術普及部長

田中明寛氏

 当社は、2001(平成13)年 1月1日にBASFジャパン(株)の農薬事業部と日本サイアナミッド(株)の全事業が統合して設立されました。
 当社では、急速に変化する情勢への迅速な対応および顧客指向を最重要視し取り組んでいます。
 平成14農薬年度の実績ですが、対前年比で100%を超えることができました。これもひとえに、農薬卸商、JA全農さんをはじめ関係メーカーさんのご協力のたまものと思っています。敢えて伸長に寄与したのは、園芸用殺虫剤、園芸用殺菌剤、土壌消毒剤の各分野です。
 平成15農薬年度における主力剤に賭ける期待を申し上げますと、概ね次の通りです。
 先ず、園芸用殺菌剤の『ストロビードライフロアブル』が挙げられます。本剤は、従来の殺菌剤とは全く異なる系統のストロビルリン系の殺菌剤です。果樹の総合殺菌剤として定評がありますが、本年度よりいっそうお求めやすい価格に設定され、特にりんご、なし、かんきつの分野で拡販をはかっていきます。なお、姉妹品の『ストロビーフロアブル』は、小麦の赤かび病防除剤として好評を博していますが、今後はたまねぎ、ニラ分野も期待されます。
 園芸用殺虫剤では、昆虫生育阻害剤の『カスケード乳剤』が挙げられます。園芸場面で適用作物・害虫の幅が広く、農家にとって非常に使い勝手の良い防除剤です。
 次に、水稲用除草剤では平成15農薬年度より『ネビロス・ラジカルジャンボ』が新たにラインナップされました。従来の『ネビロスジャンボ』を50gから20gと軽量化し、拡散性も向上されています。これにより、効果はもとより農家への安心感をいっそう高めました。セールスポイントは、長期間の残効性にあります。なお、これも姉妹品の『キクベジャンボ』ですが、本剤は低価格ジャンボ剤に位置付けられています。
 また、ロングランでご愛顧を頂いている園芸用除草剤『ゴーゴーサン乳剤30』・『ゴーゴーサン細粒剤F』は、土壌移行性が小さく作物への薬害発生の恐れが少ない薬剤として定着しています。小麦、たまねぎなど今後の展開を楽しみにしています。
 新規剤の開発状況ですが、「BJLシリーズ」に大きな期待を寄せています。
 新規いもち・紋枯病剤の『嵐粒剤』(試験番号:BJL-002粒剤)/『嵐箱粒剤』(同:BJL-003粒剤)(有効成分:オリサストロビン)は浸透移行性に優れ、また予防効果も期待され、さらにいもち病から紋枯病までと長期間防除する最大のメリットがあり、当社の中核的な戦略品目に成長していくでしょう。
 育苗箱専用殺菌殺虫剤としては、当面「プリンス」、「ダントツ」との混合を考えています。
 果樹用殺菌剤『ナリア SE』(同:BJL-001 SE)は、新規有効成分ピラクロストロビン(BJL-993)と新規化合物BJL-994を含有しています。落葉果樹用殺菌剤ですが、斑点落葉病、輪紋病などの夏季に発生する夏病害を本剤1剤で対応が可能となります。又、残効性に優れているので散布間隔を広げることができ、減農薬に対応できる剤です。
 豆類、野菜用の殺菌剤『カンタス ドライフロアブル』(同:BJL-994ドライフロアブル)は、重要病害である灰色かび病および菌核病に卓越した効果を持つものとして期待されています。
 当社の研究開発拠点では「生産性」、「コスト」、「安全性」をテーマに新たな貢献につながる製品開発に全力を注いでいますが、前に申し述べました新規開発製品の市場投入などを控え、現在、マーケティング・営業・技術普及体制の拡充をはかっています。 (2003.3.19)


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