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平成14年7月に山形県において無登録農薬問題が発生し、全国的にも無登録農薬が販売または使用されていたことが判明し、毎日のようにマスコミで取り上げられ、その後多くの農業関係者が摘発されるという事態にまでなってしまいました。
また、各産地では、無登録農薬が使用された作物の出荷自粛が行われ、廃棄処分となった作物はかなりの量、金額になったと記憶しております。
このことは、食の安全を脅かす重大な事件として社会の注目を集め、その結果、農薬取締法の見直しにまで発展し、平成15年3月から改正農薬取締法が施行されることになりました。
改正農取法では販売業者、使用者に対する罰則もかなり強化されるとともに、「特定農薬」という新たな農薬の位置付けや名称、含まれる資材の種類などが現在もいろいろな方面で議論されているところです。
農業環境については、高水準の農産物の輸入、米の消費量減少と余剰米に伴う米価の下落、農家労働力の担い手不足など厳しい状況下にあり、業界を取り巻く情勢も外資および国内原体メーカーの相次ぐ合併と直販、系統組織統合の伸長、製品の供給過剰による価格競争の激化など極めて厳しい状況にあります。
弊社の状況につきましては、自社開発商品のバロックフロアブル、新規分野のフェロモン剤の販売等により前年をやや上回る結果となりました。
これもひとえに、皆様方のご支援の賜物と感謝申し上げる次第です。
さて、平成15年度はフェロモン剤で、昨年よりご愛顧いただいている野菜用のコナガコンプラス、今年度より販売できることになった果樹用のコンフューザーNへの取り組みをさらに強化するとともに、最重点品目として位置付けしている果樹、野菜のハダニ類に対し長期効果持続型のバロックフロアブル、水稲育苗箱用殺虫殺菌剤ウィンダントツ箱粒剤、水稲用除草剤で、低成分のため減農薬栽培に適しているキリフダ1キロ粒剤等を、また、別途、分野別に重点品目を選定し強力な普及推進を展開したいと考えております。
分野別の重点品目は、水稲箱剤では、いもち病、紋枯病、ウンカ、ヨコバイ、イネミズゾウムシ、イネドロオイムシ等を1回の育苗箱施用で長期間抑え、本田防除回数の削減を可能にした長期持続型箱処理剤のウィンアドマイヤーグレータム箱粒剤、水稲初期除草剤では、コスト低減が期待できる農将軍フロアブル、一発剤ではノビエ3葉期までと使用適期幅の広いレッドスターフロアブル、簡単、少量、省力のキリフダエースジャンボ、中期剤ではマメットSM粒剤、空中散布及びラジコンヘリ分野では1成分でいもち病、紋枯病の同時防除が可能であるアミスターエイトフロアブル等、さまざまな農家の皆様のニーズにお応えできるよう、各種取り揃えて取り組んでまいります。
今後ともJAグループ、農家、関係機関の皆様のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、系統メーカーの一員として頑張る所存でございますのでよろしくお願いいたします。(2003.3.19)