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特集:低コストで確かな効果をあげる水稲除草剤 |
農家と農協のニーズに応えた除草剤として |
普及開始からわずか2年で、MY―100混合剤は水稲作付面積の14.3%・24万3776ヘクタールにまで普及した。ヒエ剤として効果が卓越しているだけではなく、安全性、省力化、低コストなど生産者から支持された理由はいくつもある。また、厳しい環境下にあるJAグループ生産資材事業にとって「シェアを奪還するための、”ウチらの剤”」というJA担当者の熱い思いもこの実績を実現した大きな原動力だといえる。なかでも、秋田県は普及面積が2万ヘクタールを超え全国一となった。また、福岡県は水稲作付面積のほぼ半分に普及し普及率全国トップとなった。そこで、JA秋田おばことJA全農あきた、JAふくおか八女とJA全農ふくれんにその取組内容を取材した。現地は「ありがとうキャンペーン」に熱い思いを寄せている。 |
系統シェアを奪回する「ウチらの剤」 ◆全国一の2万ヘクタール超に普及した秋田県
秋田県は13年春からホームラン粒剤を中心にMY―100混合剤を普及推進し、13年度全国一の普及面積となる8398ヘクタールという実績をあげた。
銘柄別にみると、県本部推奨のホームラン粒剤が全体の約61%を占め、次いでミスターホームランフロアブルが約32%、パットフルジャンボが6%強となっている。普及推進実績が大きく伸展している理由について、JA全農あきた生産資材部の畠山健司肥料農薬課長は「JA全農が開発した水稲除草剤であり、系統組織がシェアを奪回するための系統結集剤として、”ウチらの剤”という意識がJAにあるからではないか」と分析する。
秋田県は北海道に次ぐ水稲作付面積を持つ日本有数の稲作地帯だが、その中でも平成10年に仙北郡内の20JAが合併して誕生したJA秋田おばこは、14年度の水稲作付面積が1万7480ヘクタールと、稲作規模の小さな1県以上の規模を持つJAだ。
MY―100混合剤の普及推進は「農家の水稲除草剤を切り替える時期とタイミングがあったこと。昨年使った農家の評価が良かったこと。そしてJAとして剤を集約したいと考えていた」(佐々木部長)ことなどから大きく伸展。水稲作付面積の約17%、2943.4ヘクタールで使用された。 銘柄別にみると、ホームラン粒剤が70.6%と圧倒的に多く、次いでミスターホームランフロアブルが22.5%、パットフルジャンボが4.6%、トレディ顆粒と同ワイドを合わせて2%強となっている。 ◆1ヘクタールほ場整備でフロアブル剤への切り替えが
従来から使われている水稲除草剤から一気に転換することは難しいが、わずか2年で3000ヘクタール近く普及することができた。それは、「ヒエ除草剤として効果が卓越している」ことはもちろんだが、土壌吸着力が強く安全性が高いことと、使用開始時期が早くしかも長期に効果が持続することが、生産者に評価されたからだ。 ◆期待される「系統結集型」剤MY―100
同JAでは8月に前にふれた「しおり」と予約注文書を農家に配布し、現在その集約をはかっている。 |