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特集:安全・安心で環境にやさしい畜産事業を ――JA全農畜産事業15年度の取組み年 |
畜産生産部 配合飼料760万トン達成をめざして |
◆牛専用配合飼料製造工場で安心ニーズに応える 牛用配合飼料の専用製造体制と専用配送体制については、北日本くみあい飼料(株)や今年4月に関東信越地区8都県を供給エリアとして発足したJA東日本くみあい飼料(株)で確立されるなど、すでに取組みが進められてきているが、16年度末までに全国的に整備することにしている。 また、全農独自のモニタリング基準を作成したり、東日本くみあい飼料の全工場ではすでに取得されているが、ISO9001を16年度中には全工場で導入するなど、品質管理体制をさらに強化することにしている。 さらに、農場・畜産物・顔料などの安全性検査の増加に対応するために、会社化を含めてクリニック事業の体制を整備強化していく。クリニック事業は、安全・安心への関心の高まりもあって利用件数が急速に増加してきており、15年度には18万検体、16年度19万検体、3か年計画最終年度の17年度には20万検体を計画している。 16年11月には、家畜排せつ物規制法が本格施行されるが、畜産環境アドバイザーの活用と畜産環境対策室との連携によって全国的に家畜糞尿処理対策の指導を強化していくことにしている。 ◆地域別飼料会社の全国展開で事業競争力を強化 重点施策の2番目は、配合飼料と単味飼料の事業競争力の強化だが、配合飼料業界再編の動きなどに対応して、配合飼料メーカーとしての競争力強化と単味飼料の取扱強化をはかり、数量の増加を実現していく。 そのために、 (1)すでに全国6地域で実現している地域別飼料会社の全国的展開をすすめ、競争力強化のための合理化を自律的に促進して、そのメリットを配合飼料価格に反映すること。 (2)商品開発力を強化するために責任部署を明確にして開発のスピードアップとコスト削減をはかること。 (3)高度専門課題についての地域別飼料会社への技術支援を通して競争力をつけること。 (4)国内物流合理化によって単味飼料の競争力をつけること。 などの施策を実施していく。 配合飼料については、地域別飼料会社の営業部門と連携して地域密着型の推進具体策を構築することで、15年度は744万トン(シェア30.7%)、16年度752万トン(同31.0%)そして17年度に760万トン(同31.4%)と毎年8万トンを上積みすることを計画している。 そして、配合飼料の数量拡大をはかるために、各畜種ごとに毎年2〜3の新商品を開発していくことにしている。 単味飼料については、増産ふすま制度廃止後の代替ニーズ対応として、SBS小麦を活用した「麦からのおくりもの」の供給拡大、「特ふすま」の取扱拡大や海外子会社(ZHI)を活用したヘイキューブ・アルファルファの取扱拡大にも取り組む。 ◆系統独自物流システムを活用して特長原料の取扱拡大 重点施策の3つ目は、原料購買力の強化と原料販売の強化だが、海外関連会社からの一貫した物流による米国から国内生産者までの系統独自の物流システムを活用して (1)消費者・生協・生産者などのニーズに積極的に対応したPHF-NON・GMOトウモロコシなど、特長飼料原料の取扱拡大をはかる (2)食品会社向け特長トウモロコシや丸大豆の販売強化をはかる (3)輸送力強化と物流力強化によって、原料購買力の強化をはかる (4)地域に根ざした単味飼料の購買力の強化をはかる などの施策を展開していくことにしている。 ◆SPF豚100万頭体制構築、ET事業による生産基盤の確立 重点施策の四番目は、生産基盤の強化だ。 養豚では、17年度ハイコープSPF豚100万頭体制確立に向けて取組みが進められており、14年度には76万頭が実現。15年度は81万頭、16年度86万4000頭を目標に取組み、17年度中には目標通り100万頭体制を構築する。 そのために、種豚事業については、生産供給体制のいっそうの効率化・コスト低減をはかるために、16年4月の会社化を含めて強化することにしている。 また、生産性向上・生産コスト低減対策として普及してきている豚人工授精用希釈精液については、15年度26万2000ドース、16年度27万3000ドース、17年度28万ドースを目標にさらに普及拡大をはかっていく。そのため現在の東西AIセンターに加えて、西日本に第2AIセンターを設置することにしている。 養牛については、技術的に高い評価をえて、順調に伸びてきているET受精卵移植による酪農家と和牛肥育農家を結ぶ「酪農・肉牛地域一環生産事業」の定着・拡大のために、受精卵・ET妊娠牛を活用した生産基盤造成・指定獣医師・移殖師と連携したET事業の取り扱い拡大に力をいれていく。 受精卵については15年度5850個、16年度7000個、17年度8050個を目標に取り組むが、妊娠牛については施設の収容能力もあり各年度とも1140頭を取り扱うことにしている。 さらにこれからの和牛繁殖基盤のために、大規模和牛繁殖実験農場の設置を検討していく。 (2003.7.18) |
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