農業協同組合新聞 JACOM
   
特集 第49回JA全国女性大会 農と共生の世紀づくりは私たちの手で

女性の視点で農業振興 女性営農指導員が成長 将来は男性と半々に

JAとぴあ浜松(静岡県)

 「女性に技術指導ができるのか」と首をひねる役員もいる中で、JAとぴあ浜松が女性の営農指導員を採用して3年。現在は13人。その活動に対する組合員の評価は高い。「女性の持つ消費者の視点を取り込もう」という松下久組合長のねらいは当った。女性の導入が地域農業に新風を吹き込んだ形だ。組合長は「合計約80人の営農指導員のうち、将来は半分ほどを女性にしてもよい」との考えだ。こうなると男性指導員も負けてはおれない。またJA職員全体への刺激も与えた。さらには女性指導員が農業振興の新たな起爆剤になる可能性があるのではないかと期待する組合員もいる。

◆精力的に「出向く営農指導」 着実に固める農家の信頼
 

JR浜松駅に出店しているJAとぴあ浜松の花のアンテナショップ。JA管内は花の大産地だ。
JR浜松駅に出店しているJAとぴあ浜松の花のアンテナショップ。JA管内は花の大産地だ。
  女性営農指導員の導入は平成13年度から。「1人や2人の採用では、その女性が孤立したり、定着しない恐れもある」という松下組合長の配慮から、初年度は一挙に8人と大量採用した。全員が四年制大学の農学部卒か関係学部卒。大学院卒も2人。
 一見、普通の娘さん。よく笑う20代だが「農業関係の知識は高いし、まじめだ」と組合員が評価する通り、ユニフォーム姿で精力的に車を駆る毎日だ。
 ここでは、現場や組合員宅へ「出向く営農指導」をするというJA全国大会の方針が着実に実行されている。
 また生産者は作りやすい品種を選択しがちだが、そうではなくて、消費者が買いたくなる品種を作らないと売れないというマーケティング志向の販売戦略についても、彼女たちは熱心にアドバイスを続けている。
 全国のJAに先駆けて女性指導員を導入した同JAの実績を見て、最近は、ほかのJAでも女性指導員採用が増えてきた。
JAとぴあ浜松は4月から開く「浜松湖花博」に「JAとぴあ浜松館」を出展する。そのPRの花を飾った本店玄関
JAとぴあ浜松は4月から開く「浜松湖花博」に「JAとぴあ浜松館」を出展する。そのPRの花を飾った本店玄関
 そこで同JAの女性指導員3人と、生産者3人、計6人に集まってもらい、座談会形式で、女性指導員の活動や悩み、各品目ごとの生産現場の現状や課題などを語ってもらった。
 同JAは組合員6万1000人。全国屈指の広域大型JAで販売品の販売高240億円(14年度末)。野菜だけでも120品目と多彩な生産を誇る。生産組織は44にのぼり、その内訳は販売高や共計の有無などにより部会・協議会・研究会・分科会に分かれている。
 このため座談会には野菜、柑橘、花きの生産者代表に絞って出席してもらった。


新しい風吹き込み 男性陣に刺激も

◆娘が相手の感じ

 ――どういう思いで営農指導員を志望したのですか。

〈営農指導員〉(13年入会・静岡大学大学院卒)小林薫さん
〈営農指導員〉(13年入会・静岡大学大学院卒)小林薫さん

 小林 農学部出身ですし、できれば農業生産の現場に出たいという気持ちでした。食品会社の試験も受けましたけど。

 鈴木 サラリーマン家庭に育って農業体験はありませんが、農業の勉強を生かしたかった。ほかの会社にいけば例えば実験ばかりさせられたりして生かし切れないと思いました。大学では卵のたんぱく質の研究をして実験が多かったのですが…。

 加茂 私は園芸に興味がありました。収穫後生理学という学問を勉強したので、実際に農産物にかかわる仕事をするには農協がいいなと思いました。

 小林 私は乾燥地農業の改善にケナフという植物を活用する研究をしていました。

 ――女性営農指導員が「地域農業に新風を吹き込んだ」などといわれますが、どうですか。

 杉山 彼女たちがくる前の指導員は男ばかりで、ある程度は押しつけ的な指導の進め方があったかも知れません。しかし女性の場合は特有の感性や、やわらか味があるから、生産者側の受け取り方も変わってきたのじゃないかという感じがします。

 大村 男性指導員との付き合いが長いのですが、やはり堅くなるというか、例えば用件だけをポンポンといって帰ってしまうとかいうことが結構あって、こっちが中身まで突っ込んで聞きたくても、ちょっと、ということがありました。
 女性指導員も1年目は男性と2人組の農家回りでしたが、翌年からは加茂さんが独り立ちされましてね。女性同士だから話が脱線することもありますが、突っ込んで何もかも聞いちゃいます。私にしてみれば娘に聞くのと同じことですから。お互いに、いいたいことをいい合えるのが女性指導員の1つのいい面じゃないかと思います。

◆農家の話に学ぶ

 加茂 1年目は先輩の男性指導員と回っていました。

 小林 私は西営農センターに配置されていますが、管内は品目数が多いものですから、最初から、いきなり1人でした。

 鈴木(一) 西管内は1人でいくつもの担当品目を持たなくてはいけないので大変です。西地区支店の経済担当の手が空いていればいっしょに回ってくれるのですがね。

 ――組合員の質問に答えられない時はどうするのですか。

〈営農指導員〉(13年入会・静岡大学大学院卒)加茂知子さん
〈営農指導員〉(13年入会・静岡大学大学院卒)加茂知子さん

 加茂 私は3年目になりますが、まだまだ生産者のほうが、よほどよくご存じのことがたくさんありますから、対応できない時は、その話をよく聞いて、それから勉強して、さらに勉強したことを、ほかの生産者に話をできるようにするということで、とにかく話を聞きます。

 ――わからないことを母校に問い合わせたりしますか。

 小林 畑のことに関しては農家のほうが断然よく知っているので、先輩の男性指導員に聞いたりもしますが、ちょっと学術的な面になりますと、私は静大出身なので、そちらの担当教官に電話で聞きます。

 加茂 私も静大ですが、電話で教えてもらっています。

 ――男性指導員も問い合わせをやっていますか。

 鈴木 大学だけでなく、研究機関、企業、農業改良普及センター、保健所などへよく電話していますよ。

 ――そういう点では男女の仕事のスタイルは同じですね。
 ところで、県の農業改良普及員は年々減っており、しかも4年前からは行政事務まで担当させられて、営農指導に専念できなくなっています。その点でもJAの営農指導が重要になっており、女性指導員の守備範囲も広くなりそうです。普及員との連携はどうですか。

◆農政課題に対応

〈営農指導員〉(13年入会・岐阜大学農学部卒)鈴木利江子さん
〈営農指導員〉(13年入会・岐阜大学農学部卒)鈴木利江子さん

 鈴木 例えば、ミカンの場合、新しい台木の調査や栽培講習会の開催などを連携したり、また統一した防除暦を生産者に配れるようにと試験場や経済連などといっしょに防除暦作成検討会を開いています。今年からは生産者全員が防除暦を提出していただくことになっています。

 ――話題は、営農指導員の広範囲な仕事に及んでいますが、トレーサビリティ(履歴管理)の記帳運動についてはいかがですか。

 鈴木(一) 野菜では生産日誌に必ず記帳して出荷前に提出すること、それによってJAが出荷できるか、できないかを判断する、それがないと出荷できません。そこまできていますから記帳運動は浸透しています。安全・安心の取り組みに関しては無登録農薬問題もあります。

 ――「とぴあ」のように作物の種類がバラエティに富んでいるJAでは管内の特産物がたくさんあるでしょう。マイナー作物に対する農薬の使用規制は大問題です。このままでは地域の特産物がなくなってしまいます。登録農薬の適用拡大が必要です。

 鈴木(一) 農薬なしでは野菜は作れませんからね。それで適用拡大に取り組み、生産者の会議を毎晩9時ごろまで続けたこともあります。小林さんも出席しますから、夜遅くまで、だいぶ苦労させました。昼は県との交渉などもあります。

 ――農政課題の仕事が次々に出てきますねえ。

 小林 マイナー作物問題は、営農指導の立場から、もうほんとに困っている状況です。生産者に迷惑をかけるわけにはいかないし、何とか進めたいと思って、やってきましたが、今後とも登録拡大が進むように行政に働きかけます。しかし問題は山積みなので…。

◆記帳運動進める

 鈴木(一) 今までの経過措置をもとに拡大へ、という話をしています。また登録には、公的機関に各種試験を委託しなければなりませんが、その費用はマイナー作物の生産者も可能な範囲で負担し、登録拡大に向けた下準備をしています。

 ――ミカンのほうの記帳運動はいかがですか。

 杉山 1000人余りの生産者がいますが、基本的には出荷前の10月に生産日誌を提出しないと出荷できないことになっています。記帳は当然のことなので、さらに一歩進めて個々のチェックをより強めることを考えています。そうすることで量販店の対応が違ってきますから。

 加茂 花の栽培でも多分、記帳をするようになると思って書式などは生産者に渡してあります。現状ではまだ記帳はされていません。

 鈴木 始まったばかりなので講習会に出たりして記帳を勉強していますが、生産者には大変めんどうです。もっと書きやすい様式にならないかを検討して毎年少しずつでも改良していく必要があります。16年度は途中でチェックできるように確認欄を設けました。
 営農指導員が、それをチェックすれば、品質の良いものを作っている生産者の防除のタイミングがわかりますから、指導面にも生かせます。

 ――様式の改良の手順は?

 鈴木 指導員が打ち合わせて内容を検討し、部会の役員や生産者に見ていただきます。

 杉山 様式はJA一本ですが、何年か経てば慣れも出てくるから、より高度なものに向かって記入していく必要があると思います。

◆結果出して喜ぶ

〈生産者)(日地区プチベール分科会副会長・野菜栽培)鈴木一夫さん
〈生産者)(日地区プチベール分科会副会長・野菜栽培)鈴木一夫さん

 鈴木(一) 葉菜類は種類が多いから、作物によって、いろいろな記帳の仕方が考えられます。それをどのように集約し、1つの体系にしたらよいのかが問題です。同じ品目でも施設栽培と露地栽培で、使う農薬も違ってきます。
 1軒の農家で、いろんなものを書かないといけないことになっているので大変です。営農指導員の協力で、ある程度、統一化された楽な書き方を模索する必要があるんじゃないかと思います。

 ――では、次ぎに営農指導員になってよかったなと思うことを聞かせて下さい。

 鈴木 何事も基本的には、思った通りにはいかないことが多いのですが、しかし、この仕事をしていて、よかったなと思うことは、出荷物を見て、いいものができた時です。自分が講習会などで勉強して、そして指導したものがどうなっているか、気にかかりますから、結果が出ていれば、ほんとにうれしいと思います。
 また品評会での受賞、そして農家から感謝され、ほめられた時も、ああ、がんばってよかったなと思います。

 杉山 県のミカン品評会では、この5年間に、「とぴあ」の組合員が3回も農水大臣賞をもらっているのですよ。

◆悲しくなる時も

 加茂 私も、うまい具合に花が咲いてくるとよかったなと思います。さらに、それが高く売れれば、いっそうよかったと思うし、やはり出荷物の品物がよいとうれしいですね。
 栽培途中に組合員のほ場を年に何回か回りますが、前回よりも成長し、できがよくなっている時もうれしい。
 あとは受賞です。昨年は関東東海・花の展覧会で金賞を取ったスイートピー農家がいます。

 小林 私がひとこといっただけで、病気とか、できの悪い畑が、よくなったと、報告を受けた時はうれしいですね。そういうことがないと畑にもいきにくくなってしまいます。

 ――悩みや困りごとはどうですか。もちろん仕事上で。

 鈴木 経験不足もあって、質問されても、うまく答えられない時は、まだまだ勉強が足りないなあと落ち込みます。その点、ほかの仕事と、ちょっと違うかなあと思います。

 加茂 私は農薬と肥料の名前がなかなか覚え切れないのが悩みです。担当品目の花が多く、それぞれ農薬と肥料が変わってくるため頭の中がごちゃごちゃになって、すぐにはこたえられないのです。

 小林 病害虫を見て、なんでこうなっちゃったのだろうと悩む時もあります。

 鈴木 出荷物の目揃会の時に、私から「傷の多いミカンはジュース原料に回して下さい」といわれた組合員が「うちのミカンにはどうして、こんなに傷が多いの?」と聞いてきます。
 しかし傷は図鑑と同じようには出てこないし、発生度合いの少ない病害虫もありますから、私自身が「なぜだろう?」と途方に暮れます。
 14年産では雨の後の気温低下で表面の水滴が凍ったミカンが出て廃棄処分しましたが、あの時は、私としてどうしたらよかったのかと悲しくなりました。

◆「時間を下さい」

 小林 野菜ではマイナー作物用の農薬問題のほか、品目によって種子の問題も課題です。

 鈴木(一) 私はプチベール(非結球型芽キャベツ)という新野菜を作っていますが、毎年形が違っちゃうのです。これは種子に問題があります。これでは営農指導のしようがない。だいぶ苦労していると思います。

 小林 品種の選定とかも、どんどんやらなければいけないのですが、なかなか自分の時間が取れなくて。また担当作物以外のことは把握できていないため農家から「悩みを聞いてくれ」といわれても対応できず「時間を下さい」としかいえない時はつらいですね。そんな時は男性指導員と比較されますから。

 鈴木(一) 最近は定年退職後に農家の後を継ぐ人が多いため、JAの営農指導員なら、だれに質問しても答えられるのが当たり前だという考え方です。
 製造業ならプレスで型を打つように同じ答えが出ますが、農業はそういうわけにはいきません。若い営農指導員は組合員が育て上げないと、自分のところに利益が返ってきません。私は指導員を育てることによって農家がうるおうという考え方で接しています。

 小林 私は時間をかけて農家とつき合っていきたいので1、2年で担当品目を変えないようにしてほしいと思います。

 鈴木(一) 関連品目の中で変わるのはいいのですが、余り極端な変更は農家としてもつらいですね。

◆販売力の強化へ

 ――販売力強化に向けた営農指導と女性指導員の役割という点はどうでしようか。

〈生産者〉(柑橘部部会長・柑橘栽培)杉山忠夫さん
〈生産者〉(柑橘部部会長・柑橘栽培)杉山忠夫さん

 小林 プチベールのような特殊な品目は、量でなく、品質で売り込んでいく野菜ですから、とぴあの産物なら大丈夫といわれるものにしていこうと指導しています。反面、生産部会が大きくなって一日に何千ケースも出荷する野菜は、品質が上がったから量が減ったということがないようにと考えます。市場に対しても量をキープしなくては売れなくなってしまいます。

 杉山 生産と販売は表裏一体であるべきだと考えます。ミカンでは最近、消費者が酸に弱くなっており、こくのあるミカンを目指した私たちも、今年産は酸を弱くしました。それでもまだ酸が高いといわれます。
 生産者がこうあるべきだと思っても買うほうはそうでない場合が多いのです。消費者ニーズが変われば、それに合ったものを作るのが基本です。そうした中で女性が販売に参画し、市場対応に入っていくことが大いに期待されます。

 鈴木 安ければ売れるわけではありませんから、やはり品質ですね。ミカンの場合は味をもっと分析して意識的に作っていくことが大切です。

 鈴木(一) 流通の途中の話はいつも変わってきて、よくわかりません。最先端の店先の話を聞き、消費者が本当にほしいものを作るべきです。生産者だけ、販売者だけの考えで行動してもだめです。両方の調和によって、どちらもトクになるようなマーケティングが必要です。

◆長く続けての声

〈生産者〉(スイートピー栽培)大村ちよさん
〈生産者〉(スイートピー栽培)大村ちよさん

 加茂 花は少量多品目化が進み、毎年、新品種を導入していますが、その時に生産者は栽培しやすい品種を重視して選択しますが、売れなくてはだめですから、流行色をねらうなど絶対に売れるという話し合いをしながら選んでもらっています。

 大村 市場は、黄色いスイートピーなど、こちらができない商品を求めてきます。また現状は1日置きの出荷ですが、これを毎日にしてくれという無理な注文もつきます。そこで指導員に多少でも毎日出せる方法を考えてほしいと頼んでいます。
 流行色は、これはもう若い女性指導員に聞くのがいちばんです。

 加茂 服装も花も流行色は同じだから女性は色に敏感です。

 ――女性指導員に対する期待はすでに語られていますが、最後にもうひとこと、注文も含めてお願いします。

 杉山 女性の感性など、いい面が販売につながって、生産者のプラスになると思います。期待あるのみといえます。女性指導員は、いい形の中で成長してきていると見ています。
 それから、とぴあは非常に多くの品目を扱っていますから、個々ばらばらの単独販売でなく野菜と果物を組み合わせるなど総合販売に向けた取り組みを進めてほしいと思います。有利販売を目指す上でも女性の力に期待します。

 鈴木(一) ひとこと苦言を呈するようですが、女性はいい商品を作ろうと一途になって一本調子になる場合があります。男性の場合は、ある程度で折り合いをつけますが、女性にはそれが難しいようです。農家との関係をさらに円滑にするためには、大局的な柔軟な判断も必要だと思います。
 とはいっても、JAも、その取り扱い商品も女性の視点で変えていかないと世の中のニーズに合いません。食料品は男性だけのものでなく、男女両方の食べ物ですから、さらに女性が進出し、よりよいJAに発展することが期待されます。

 大村 女性には結婚・出産とかいろいろありますから、これからも、1年でも長く営農指導を続けて欲しいと思います。

提案の効果に満足も 彼女たちのある一日  
 男性社会のJAに飛び込んで全国でもまだ珍しい女性の営農指導員になったフレッシュウーマン13人。
 1期採用組は3年目となり、組合員はその成長を高く評価する。彼女たちの最近の仕事ぶりを、座談会出席の3人の、ある一日の行動を追ってみた。
 加茂さんは、花き営農センターの出荷場に集まった荷をチェック。あとは事務処理か、生産者のほ場回りだ。
大村ちよさんのハウスでスイートピーの咲き具合を見る加茂さん、大村さん、鈴木さん(左から)
大村ちよさんのハウスでスイートピーの咲き具合を見る加茂さん、大村さん、鈴木さん(左から)
 大村ちよさんのハウスでは、きれいな花をつけたスイートピーに満足そうだ。大村さんは父がリタイアのあとは女手ひとつでの営農だ。夫はサラリーマンで休日に手伝うだけ。このため省力栽培がテーマだ。
 加茂さんは花の茎を真っ直ぐにするネットを提案して、大村さんを喜ばせた。それまでのヒモを使う作業の手間を省いたのだ。
 市場が黄色いスイートピーを要求した時は、農業試験場で放射能を当て、突然変異を起こさせる手法を考えているが、うまく進んでいないという。
 最近は品目別の役員会、ほ場の審査会、浜松市の農林水産祭や、販売対策会議などの行事日程が立て込んでいるため夜間の残業もあるとのことだ。
 小林さんの場合は、プチベールの出荷時期なので早朝の出荷検査をする。箱を開いて、大きさがそろっているか、虫が混じっていないか、しおれがないかなど見た目でチェック。さらに箱の数のチェックにもあたる。
 次いでコマツナとミズナの検査をし、そのあと午後は、生産者の畑を回っての「出向く営農指導」だ。栽培途中の品目を見て回ることが多い。
 小林さんの担当は3品目だが、それ以外の集荷を手伝うこともある。その合間を縫って事務処理もする。
 鈴木さんは午前中、出荷ミカンの1次評価をする。目的は、光センサーによる糖酸度の分析だ。内容をそろえ、さらに見た目で病害虫の傷がついていないかなどをチェックし、選果に回す。夜の集荷が多いため、夕方からは翌日の選果分についても1次評価する。今はミカンの出荷時なので評価の仕事が多い。
 また選果の従業員の仕事が甘くならないように「もっと厳しく」と指導したり、ネーブルの選果状況を見ることもある。
(2004.2.2)


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