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特集 『低コスト・省力・環境にやさしいMY−100』―安全・安心な水稲生産を目指して― |
普及面積率が20%台に成長 4年目を迎えた「MY―100」 |
中川雅博 JA全農肥料農薬部 農薬課長に聞く |
開 発 「MY―100(オキサジクロメホン)」は、生産資材費の低減を推進するJA全農にとって戦略品目に位置づけられ、販売に強みをもつ大手有力企業5社を起用したことからも、本剤に寄せる期待がうかがわれた。 JA全農の農薬事業の柱には水稲用農薬があり、なかでも水稲用除草剤は牽引車となっている。JA全農が、初めて農薬原体を所有した歴史的な瞬間でもあった。 ◆21世紀の水稲用除草剤 系統農薬事業の中核に 「MY―100(オキサジクロメホン)」を含む各種除草剤の開発にあたっては、それぞれの使用現場に適した薬剤が選択できるよう品揃えに努められている。剤型も1キログラム粒剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、ジャンボ剤など豊富なバリエーションとなっている。 また、製剤各社の協力のもと、系統のみの取り扱いを基本として品揃えが行わた。系統自らが開発に携わることで、低コスト化に成功しており、経済性でも農家組合員が充分に満足できる除草剤に仕上がっている。 オキサジクロメホン混合剤は、JA全農の事業目標である「低コスト・省力・安全」のコンセプトにまさに合致した薬剤であり、21世紀にふさわしい水稲用除草剤として期待されるとともに、系統農薬事業の中核となる薬剤に位置づけられた。 ◆残効性に優れたヒエ剤 さらに環境にも優しく 有効成分のオキサジクロメホンは、ノビエの発生前から2・5葉期までの処理適期幅をもち、かつ約50日以上の残効を示す優れたヒエ剤として颯爽と登場したものだ。しかも、10アール当たりの投下薬量は4〜8グラムと先行したヒエ剤の中でもっとも少ないレベルにある。さらに、土壌吸着力が強いため地下水や河川への流出が少ないなど、環境にやさしい除草剤に仕上がっている。 本剤は、こうした高い除草効果と環境への負荷が少ないといった優れた特性から、農水省の「新農薬開発促進事業」に除草剤として初めて取り上げられ、21世紀型の水稲用除草剤として国からも大きな期待が寄せられている。 経 過 オキサジクロメホンは、このように優れた特性を有しているが、その優れた特性を活かし幅広い草種に効果を示すSU(スルホニルウレア)系除草剤との混合剤を中心に、さまざまな特長をもった混合剤が取り揃えられている。 ◆普及面積は31万ヘクタールに 「トレディ」が急成長 これまでの実績を見ると、普及面積では平成13農薬年度=12万ヘクタール、平成14農薬年度=25万ヘクタール、平成15農薬年度=31万ヘクタールと、着実に知名度をあげた。また、普及率も平成13農薬年度=6%、平成14農薬年度=16%、平成15農薬年度=20%と、上市3年目で20%台の大台に乗った。 今後の展望 平成16農薬年度に入ってからのこの4カ月間の実績を見ると、普及面積で13万4000ヘクタール(前年対比114%)、普及率で8%の実績となっている。今後、本格的なシーズンに向けての動向に注目しなければならないが、「ミスターホームラン」剤が1歩抜きん出ている感がある。 ◆品揃えが進むSU対策剤
4年目に入った「MY―100」入り混合剤の普及推進。特に、これといった大きな変化はないが、確実に知名度を高めていることは事実だろう。 (2004.3.12)
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