|
特集 元気な地域づくりとJAバンクの役割 |
一体性強化で信頼感高める JAバンク栃木信連の統合に見る |
統合により基盤を強化 藤原林次郎 JAバンク栃木信連会長に聞く |
◆将来を見据えて 統合を決断
「信連の財務の状況は“助けて下さい”と農林中金に支援をお願いするような状況ではなかったのですが、将来を考えると、このままでは信連の健全経営は難しい、と信連役員会に詳しく説明しました」 「バブルがはじけた後の住専問題とか有価証券の運用失敗などがあって内部留保が少なかったのです。自己資本比率は8%強でしたか。やはり10%以上ないと思い切った資金運用はできませんからね。貸出金も350億円程度にとどまっていました」 ――それにしても、全JAがよく統合を決断しましたね。 「そこには、県内を10JAにするJA合併構想が完了していたという事情があります。10JAの組合長は全員が信連役員として全面的に統合に協力してくれました。これが最大の支えになりました。また10JAはすべて黒字経営でした。赤字JAのないことが統合の前提となりました」 ◆大きい統合の効果 ――統合の進め方は? 「統合計画書を作って行政庁の認可を得るわけですが、第1号だから先例となるモデルがない。方程式も何もない。連日連夜、農林中金との協議を重ねた結果、やっと計画書を作り上げました」 ――暫定信連というのは? 「全面的な統合まで5年間は存続して為替・決済などに特化して業務を行う信連です」 ――信連職員はどうなったのですか? 「信連職員のうち約50人が農林中金へ、約30人が県内JAや電算センターなどに出向し、暫定信連は約30人となりました」 ――信連の貸出金はどうなったのですか。 「県内JAおよび農林中金に移すのは正常債権だけ、あとの破たん先債権や破たん懸念先債権はすべて暫定信連で処理することになっています」 ◆JA組合員も高い評価 ――統合の効果は予想以上に大きい訳ですね。 「そうです。早く統合してよかったと思いました。組合員は『栃木はいい決断をした』といってくれます」 ――ところで栃木県には足利銀行問題がありますが影響はどうですか。 「昨年1年間のJA貯金の伸び率は3.82%です。全国平均の約2倍です。これは足銀からのシフトだけではなく、JAバンクへの信頼が基盤となった伸長です。さらに全JAが黒字を出して、自己資本比率が平均18.2%と高い水準を維持していることも強調しておきます」 (2004.4.13) |
特集企画 | 検証・時の話題 | 論説 | ニュース | アグリビジネス情報 | 新製品情報 | man・人・woman 催しもの | 人事速報 | 訃報 | シリーズ | コメ関連情報 | 農薬関連情報 |
||
社団法人 農協協会 | ||
|