|
特集 絆の強化と仲間づくりで事業基盤を確立――JA共済事業のめざすもの |
JA共済の諸事業 |
交通事故を未然に防止の観点からプログラム、ミュージカル、交通安全教室の実施、春・秋の交通安全運動への協力などの活動や、交通事故被害者救援のための募金活動も各地で展開されている。 ◆4700件を超える電話相談を受付―健康・介護ほっとライン 生活習慣病(成人病)予防、体力づくり、医療機関の情報提供、介護・リハビリなどの悩みについて専門スタッフに電話で相談できる「JA共済の健康・介護ほっとライン」では、相談件数が年々増加し4700件を超えている。また、健康情報やクッキング情報を無料で提供するFAXサービスも行っており、13年度以降増加傾向。 健康管理活動としては、健康診断、人間ドックによる「健康管理活動」、レインボー体操による「健康増進活動」、も実施してきている。 ◆今年も開催される書道・交通安全ポスターコンクール 「文化活動」としては、小・中学生を対象に毎年開催し、今年48回目を迎える「書道コンクール」と、同33回目を迎える「交通安全ポスターコンクール」がある。
――平成14年10月に「身体障害者補助犬法」が施行されましたが、この法律はどのようにしてつくられたのですか。
高柳 この法律ができて初めて盲導犬以外の聴導犬、介助犬が法的に位置づけられました。しかし、盲導犬は50年の歴史がありますが、この法律ができるまでは、道路交通法による位置づけでした。つまり、警察が社会の道路交通の安全を守るために、目の不自由な人が歩いていると危ないから白い杖か盲導犬を持てというもので、盲導犬使用者の社会的なアクセスを確保するものではありませんでした。ですから、盲導犬使用者は宿泊施設とか飲食店で「犬を置いてきてください」といわれていたのが現状です。 ◆誰でも障害者になる可能性がある ――この法律が果たす役割はどういうことですか。 高柳 盲導犬は歴史もあり、いま全国に927頭いますけれども、介助犬は40頭、聴導犬は17頭しかいないのが現状です。この法律でいま恩恵を受けるのは介助犬でいえば40人しかいないということです。しかし、この人たちだけのための法律ではなく、全国民が恩恵を受けられる法律だと私たちは考えています。
それは、障害者を受け入れるバリアフリーの社会だからです。そういう視点で社会を見ていただきたいし、この法律は障害者のための法律だということを、広く国民のみなさんに知っていただかないと、この法律の意味がありません。 ――この法律の意味あいを障害者を受け入れる側がキチンと理解しないと、せっかくできたものが役割を果たせないわけですね。 高柳 どのような仕事であってもお客さんがいる以上、いつ補助犬使用者が訪れるか分かりませんから、この法律についてみんなが知らないといけません。いろいろな誤解もあるので、正しく理解していただくために、医療機関向けと飲食店・宿泊施設・商店など一般事業者向けのマニュアルを作成し、全自治体や保健所に配布しましたし、私たちのホームページからダウンロードできるようにしました。こういった会の活動もJA共済のご支援があったからできたといえます。 ◆一人ひとりのニーズに合わせて訓練する ――介助犬の育成はどのように行うのですか。 高柳 肢体不自由者の障害は、視覚障害や聴覚障害と違い、人によってかなり異なります。例えば、右半身が動かない人、関節の動きが悪い人、下半身だけが動かない人、利き腕を切断した人、原因となる病気や事故により合併症があるか、将来的に進行していく(悪くなる)病気かどうかなど人によってさまざまに異なります。介助犬は、肢体不自由者一人ひとりの障害や生活、ニーズに合わせて、オーダーメイドで育成される必要があります。つまり車椅子や杖、義足などの補装具と同じ役割をする「生きた自助具」なのです。 ――先ほど「補助犬が一つの選択肢」になったといわれましたが、介助犬を使わない場合もあるわけですか。 高柳 介助犬がその人にとって良い自立支援策なのかどうかは考えなければいけません。介助犬を持つことが負担になる場合もありますから…。 ――どういう負担ですか。 高柳 生き物ですから餌を与えなければなりませんし、排泄物の処理をするとか世話をしなければいけないわけです。それは体力的にも大変ですし、その人の生活のなかのかなりの部分を割かなくていけないので、どれくらいの負担をかけるとその人の生活に悪影響をおよぼすかも考えなくていけません。 ◆信頼してくれる犬がいることを素晴らしいと思うか ――介助犬訓練事業とはどういう事業ですか。 高柳 介助犬は、車椅子以上に自分の生活に密着してきますし、生き物に対して責任を負うということを含めた新たな生活の始まり、新たな生活構築です。 ――家の中だけではなく、外出してもいろいろなことが起きますね。 高柳 家の中だけの介助なら認定を受ける必要はありませんね。社会参加するということは、外出して不特定多数の人と接することですから、面倒なことがたくさんあります。犬にとっても、いろいろな刺激がありますから、常に注意を張り巡らしたり、排泄もしますしね。1、2歳の子どもと外出するときのように計画し準備をしなければなりません。そうした面倒くささをメリットに変えられる人が、介助犬使用者として適性がある人です。 ――リハビリ医療が的確に判断することが重要なのですね。 高柳 その人の課題は何か。生活上のゴールは何か、人生のゴールは何か。何を達成したいから補助犬を求めている、介助犬を求める。そのことを評価できる人たちがリハビリテーションの専門職だと思います。ただ、いまのリハビリ側の課題は、その人に適しているかどうかの判断をする材料がまだ少ないことです。 ◆JA共済の支援で全国介助犬協会を設立 ――そうしたなかで、JA共済連と連携して全国介助犬協会が設立されたわけですね。 高柳 私たちは、犬の健康管理も含めて、介助犬を客観的に評価・判断できる第三者機関が必要だと考えてきました。そうしたときに、JA共済連から、介助犬を必要とする人の原因疾患の大半が交通事故による脊椎損傷であることから、介助犬育成支援は自動車共済・自賠責共済を行うJA共済の社会福祉事業として意義があるとご支援をいただきました。 ――最後に今後の課題についてどう考えていますか。 高柳 障害者は全国にいますから、全国各地で、一つでも多くのリハビリテーションセンターで介助犬訓練事業に携わっていただきたいということです。そういう展望をもって、多くのリハビリセンターが、介助犬訓練事業をやってみようかなと思えるような調査・研究をしていかなければいけないと考えています。 |
特集企画 | 検証・時の話題 | 論説 | ニュース | アグリビジネス情報 | 新製品情報 | man・人・woman 催しもの | 人事速報 | 訃報 | シリーズ | コメ関連情報 | 農薬関連情報 |
||
社団法人 農協協会 | ||
|