JAグループの課題のひとつに農産物の販売力強化がある。このなかで注目されているのは全農グループの直販事業だ。厳しい経済環境のなかでも同事業の実績は前年対比増と好調で今後の中核的事業への成長が期待されている。これからの事業展開についてJA全農大消費地販売推進部の原田部長、全農鶏卵(株)の渡辺社長、全国農協食品(株)中安社長に話し合ってもらうとともに、JA全農東京生鮮食品集配センターの江郷場長にインタビューした。
◆各部門、関連会社、県本部の統一的な総合販売をめざす
大消費地販売推進部
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原田典正氏
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原田(康) 今日は全農の直販事業の現状とその販売力強化に向けての課題をお聞かせいただきたいと思います。
農家、組合員からすれば、全農には自分たちのつくったものをいかに販売してもらえるのかを期待しているし、また、そういう存在であってほしいと願っていると思いますね。全農はグループも広がりあらゆる農産物を持っているわけですから、今後はどう売り込んでいくかが課題です。
その点では、大消費地販売推進部がトータルで商品を売り込む機能を持って取り組んできているわけですね。これからどう攻め込むか、まずその点を原田部長からお話いただけますか。
原田(典) 全農グループの直販事業は米穀、園芸、農産、畜産、酪農の5部門と直販センター、それに関連の直販会社11社を合わせて直販グループを構築しており、それを大消費地販売推進部がバックアップ、サポートするという体制をとっています。
ちなみに13年度は、直販グループ全体で2870億円の実績でした。主要取引先は390社程度ありますが、このうち重点取引先が28社ありまして、売り上げは1429億円でした。今、全般に販売事業は厳しく、たとえば、販売部門全販売額でみれば前年対比で86%になっているわけですが、直販グループでは、前年対比98%、さらに重点取り引き先28社でみると、102%と伸びているわけです。その意味では、この直販事業は、今後さらに拡大が期待できる中核事業となってくると思われます。
とくに当部として力を入れているのは総合販売ですね。各部門、関連会社、この連携を図りながら統一的な営業推進をやっていこうとしています。それから統合によって33県本部体制になりましたが、今後は県本部とどのように有機的に結びついて全農グループとして販売拡大ができるかが課題じゃないかと思っています。
◆量販店を中心ターゲットにした専門性ある販売を展開
鶏卵販売事業
原田(康) 全農が強い品目は伝統的に卵ですね。全農相場が日本の相場の建値という歴史があります。ただ、卵というのは、いわば単純明快な商品、鶏が生んだときにすでに最終商品といういちばん付加価値のつけづらい商品ですね。そのなかでも、卵に付加価値をつける努力をされてきたのが全農鶏卵です。これまでの取り組みと今後の展開についてお聞かせください。
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渡辺武夫氏
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渡辺 全農の鶏卵販売事業は、東京と関西を拠点に、全国ベースでのシェアは30%以上、首都圏では40%になっていると思います。そのなかで、全農鶏卵は、量販店を中心ターゲットとした販売を展開してきました。つまり、全農の鶏卵販売事業のなかで機能分担を明確にしているということです。
ですから、当社が取引しているのは、量販店、コンビニ、生協がほとんどです。量販店では、首都圏、近畿圏の主力量販店約60社、1900店舗と取引きしています。量販店向けのシェアでは20%を超えていると思いますが、これは全農と機能分担を明確にした結果だと考えています。
ただ、かつて全農は量販店販売は弱かったんですね。鶏卵事業の創生期はそれなりに販売していましたが、一時は落ちたんです。それは大型の量販店が伸びてきたからですが、そのときに専門的な集団をつくらないと競争に勝てないんじゃないかということになったわけです。その結果、徹底的に販売の専門集団をつくって、ニーズに応えていこうという取り組みを始めることになったわけです。
現在は、首都圏の量販店では取り引きがないところはまれなほどの状況です。量販店の鶏卵部門は、2社、3社と複数の仕入れ先があるのが常識ですが、なかには当社にすべて任せたという取引き先もあります。
こういうことがなぜ実現できたのか考えてみると、総合販売は重要ですが、鶏卵という品目でいいますと、売り場の提案、消費者ニーズへの対応など、きめ細かな提案ができる専門性を持ったことだと考えています。鶏卵の売り場づくりまで任された量販店ではやはり売り上げも伸びていますから、そこが評価されている点だろうと思っています。
また、扱っている商品は大部分が系統の商品ですが、いいものであれば、系統との関係がなくても品揃えとして扱っています。やはりニーズが変化していますから、自社製品が中心ですが、それ以外のものでも取引先に提案していくことが大事ではないかと思っています。
原田(康) 全農食品には果物の通販事業がありますね。今は一般的になりましたが、最初はお客さんのところへ産地から直接届けるというのは大変なご苦労と試行錯誤があったと思います。今では仕事の中心になっていますが、通販事業の元祖としてのご苦労や現状、今後の方向についてお話いただけますか。
◆通販事業で果物、米穀のさらなる売上増めざす
全農食品の直販事業
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中安久司氏
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中安 本格的に通販事業を始めたのは昭和61年です。その翌年に東京郵政局とタイアップして果物を中心に頒布会「THE旬」を開始しております。これが事業が伸びるもとになったのではないでしょうか。
通販の仕事というのは、システムをきちんと作り上げていくことが重要ですね。産地とユーザーが直接接点を持つわけですが、クレームもストレートに来る。頒布会ですからギフトではなく、自分で買って自分で食べるわけですね。そういう意味では、たとえば、サクランボの一粒が悪くてもクレームが来ることがありますから、非常に厳しい仕事だと思っています。もちろんその分、価格的には安定して買っていただける面もあります。
当初は産地も消費者に目を向ける仕事に慣れていないといいますか、系統の事業自体がそうなっていなかったこともあって大変だったと思いますが、ゆうパック等とタイアップしてシステムを作り上げてきて、今では果物については全国でナンバーワンになったと自負しています。
実績を振り返ってみると、昭和61年度は3億円程度でしたが、平成9年には136億円になりました。その後は、景気の悪化もあって売り上げは下降気味で現在は120億円程度です。売り上げをどう伸ばすかが当面の課題ですね。
もうひとつ通販事業で特筆すべきなのは、米の通販ですね。産地精米した米を消費者に届けるわけですが、これは果物と違って安定的に一年間買っていただいているわけです。産地の農協なり、県連の工場で精米していることが安心感につながっているのかリピーターが非常に多いんですね。80%以上は翌年もまた買っていただけるという状況です。ただ、問題は米の価格が右肩下がりになっているなかで、一年間の価格をどうやって決めるかということです。産地にもお客さんにも理解をしてもらう点で非常に難しい面はありますね。
原田(康) 全農グループ全体をみるといろいろな会社があり商品があるわけですが、一方、量販店は、今はオーナーが仕入れ全体に対してもかなり積極的に関わっているところもあります。そうなると単品での商談ではなくトータルで量販店の社長なり責任者と商談をするというウエートが高まっていると思います。その点では、大消費地販売推進部がトップセールスの場をつくり交渉をしていますね。その点のお考えを聞かせていただけますか。
◆トップ商談の場をつくり全農の商品群の理解広める
トップセールス
原田(典) 一言でいえば、全農をまるごと買ってほしい、ということですね。単品では鶏卵など非常に強い分野があるわけですが、それをとっかかりにして、いかに全農全体を売り込んでいくかです。その営業推進という面で、トップ商談を行っているわけです。全農からは役員などトップが出席し、相手方にも社長や商品本部長などに出席してもらい、広く経営戦略も含めた対応を話し合うなかで、全農の商品の販売戦略を理解してもらうということです。こういうトップ商談と各部門商談をあわせた取り組みを通じて幅広い品目で取引していただけるようになったという例はかなりあります。
◆消費者ニーズをしっかり把握しユーザーに信頼される提案めざして
専門家の人材育成
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原田 康氏
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原田(康) 先ほどの渡辺社長のお話では専門家を育てたことが量販店から信頼されるなど業績アップにつながったということでしたが、鶏卵の専門家とはどのような知識なり能力を持った人材なのでしょうか。
渡辺 やはり飼料も含めて卵の生産過程を知っていることが第一でしょうね。たとえば、全農グループには、飼料部門とタイアップし全農本体が開発した「しんたまご」や「QCたまご」がありますが、われわれとしてはそういう商品の優位性や生産に関する情報をきちんとお伝えすることが重要ですね。
それと同時に、消費者のニーズをしっかり把握して提案することです。健康志向が強まっているといっても、それに応える商品は地域で少しづつ異なります。たとえばある地域では赤い卵のコーナーを設けたほうがいいとか、それともピンク系などのほうがいいなど、その売場に応じて売れ筋をていねいにリサーチして提案できるかどうかが大事ですね。
ある量販店の社長さんはアパレル業界出身で食品とは縁がなかったんです。しかし、新規商談のときに、当社が考えた鶏卵売場全体の提案をしたら、なるほどと納得して採用されたこともありました。鶏卵については私たちは専門的に長く取り組んでいますから、そのうえで売場提案まですると、あなた方が提案するんだから間違いないでしょう、任せます、ということになる。こういう信頼関係ができるかどうかが大切だと思っています。
原田(康) そうすると売場の提案をする一方、栄養価の高い卵や赤い卵など売れ筋商品についての情報を産地に戻して生産につなげるという取り組みもやっているわけですね。
渡辺 鶏卵の世界では、超大手生産者と私たち農協グループを通じて販売する中堅生産者との競争です。
超大手は一定の水準を保った画一的な生産ですね。そこで、われわれとしては地域密着型でそれぞれの地域のニーズにあった鶏卵を生産してもらうことも必要だと考えています。そして、この生産者はこういう方法で生産していて、この卵はこの点で良さがありますよ、という情報を売場のなかでいかに表現するかも大切になってくると思っています。
◆総合営業を目指し付加価値ある商品提供で安全商品を供給
フレックス体制
原田(康) 全農食品では、商品に付加価値をつけるということを重視しており、冷凍米飯については昨年新工場を稼働させましたね。今後の展開の方向はどう考えておられますか。
中安 当社は量販店とのつき合いはほぼゼロなんですね。いわば注文生産的な仕事なんです。生協や外食産業など、相手側から、たとえば国産の材料のみを使った冷凍ピラフを生産してほしいなどの要望に応えることがほとんどです。そういう意味では付加価値をつけた商品提案をこちらからしていかないと、買ってもらえないと思います。
冷凍食品でいえば、今、量販店の特売商品の目玉になっているんですね。昔は、特売といえば、卵や砂糖、缶詰でしたが。極端な例でいえば今は冷凍食品は特売での売り上げが90%を占めるところもあるそうです。しかも、値引率が40%、50%という時代ですから、量販店に販売している大手の冷凍食品メーカーは参っているという話です。
われわれとしてはそういう世界と競争していてはどうにもならないということで、今までどおりきちんとした提案をしていくという路線を歩まなければいけないと考えています。
生協や外食産業とのおつき合いということですから、何が好まれるかストレートに伝わってくるわけですね。その意味では、通販事業と同じようにより消費者に近いところで話ができるということはありがたいと思っています。
原田(康) 冷凍食品も安さを競うようになってくると、より国産の安全商品というものをきちんと作って供給するということが大事になってくるということですね。
中安 その点で言いますと、たとえば、当社はレストランで使う冷凍食品を供給していますが、同時にそのレストランが一日で使う卵やカット野菜、米などを毎日配達してほしいというニーズも出てきているんです。
つまり、総合営業ということで、今、首都圏に500か所程度配達箇所がありますが、そこに毎日必要なものを届けるシステムをつくって取り組みはじめているんです。冷凍米飯も大切ですが、それだけではだめだということですね。
◆生産履歴がきちっとわかる安心・安全な国産農産物を
全農安心システム
原田(康) きめ細かい対応をするとなると、年中無休、24時間営業という体制が求められますね。
中安 そうですね。フレックス体制を組んで、レストランなどの都合のいい時間に要求された商品を揃えて届けるということです。厳しいですが、逆にそこまでやると相手からも信頼され、原材料のすべてを任されるということにもなると思います。
原田(康) 全農は、大量の商品をどこかに卸すという仕事をすると同時に、今の話のように一軒一軒のレストランなどに小口でも24時間対応するというようなきめの細かい努力をしないと簡単には売れないということですね。
原田(典) たしかに何か特徴づけをしないと売れないということですね。そこで当部がすすめてきたものの一つが、「全農安心システム」です。いわゆる生産履歴がきちんと分かる農産物ですが、これを切り口にして売っていこうとしています。現在、19認証産地、19認証加工工場が認証されています。産地としては米が多いですが、米も量販店の安売り商品の目玉になっていますから、そのなかでいかに「安心システム米」を売っていくかが課題ですね。
それからきめ細かな対応という点では、青果の分野ですが、生協とタイアップしてセットセンターをつくり、商品の企画・提案品質管理と併せてその運営を引き受ける仕事もはじめています。当該生協ではこの事業で生協供給高で20%以上伸びているんですが、鮮度がよくなった、クレームが少なくなった、などの評価をいただいており、単なるモノ売りではなく事業連携も含めて変化をもたらすような取り組みも増やしていかなくてはならないと考えています。
◆一方通行でない物流システムと川下から川上への具体的提言を
エンドユーザーから学ぶ
原田(康) 今までのお話を伺っていますと、エンドユーザーとのつき合いのなかから、ニーズを的確につかみ取り、それを産地に戻し、生産者にも提案し、そして作った農産物を消費者に届けるという一方通行ではないシステムができるというのが全農の強みであり役割でもあると思いますね。
原田(典) 生産指導、生産資材の供給、生産物の加工、販売まで一連の事業が全部できるというのは全農グループの強みです。
原田(康) 安心・安全が求められているといっても抽象的な話ではなく、具体的な事業として生産者に提案するということが全農の大きな役割でしょうね。
渡辺 安心、安全な国産農畜産物を作って売ることがわれわれの役割ですが、現場の感覚ではやはり海外から農産物が入ってくると価格競争で負けてしまう。
では、負けないためにはどうすればいいかといえば、やはり市場のニーズを産地に伝え、一方、販売の現場では生産履歴も含めて産地のことをきちんと伝えることだろうと思います。
鶏卵の分野でも、卵の輸入はないだろうと安心するんじゃなくて、やはりどうしたら国産の優位性をもって鶏卵を販売できるか、市場のニーズを生産者に伝えそれに応えた生産をしてもらうことを川下から川上にきちんと提言していくことだと思っています。
それから産地の農畜産物をどう最終ユーザーにまで届けるか、物流の仕組みをどう構築するかも課題だと思います。物流システムの構築がないとやはり競争に負けてしまう。
鶏卵でいえば、消費地でのパッキングセンター方式から産地で洗卵、選別してパッキングし直接量販店に配送するという方式に大きくシフトしてきています。
◆エリア別の販売戦略を強化し全国本部と県本部との販売促進を
直販事業の販売力強化
原田(康) それぞれの事業の課題、展望についてお聞かせいただきましたが最後に販売事業の今後についてのお考えをお聞かせください。
渡辺 やはり農産物の生産について、取引先を含めて消費者によく理解をしてもらうという活動が大事だと思います。鶏卵の場合、たとえば、量販店が特売をするからといっても、一気に通常販売量の5倍、6倍もの卵を納入するのは困難なケースもあります、と明確に申し上げているんですね。営業マンに対しては取引先にも生産について理解をしてもらえるような仕事が大事だと言っています。
中安 私たちの仕事で感じるのは、キーワードは高齢化、個食化ですね。そこで冷凍食品も含めて調理済み食品の通販事業に取り組みたいと考えています。食べる量の絶対量が減るなかで、おいしいもの、安心なものを提供していかなければなりませんし、さらに高齢化によって和食への回帰という傾向もみられます。こういう動きに対応していくことが大事だと考えています。
原田(典) 大消費地販売推進部はまさに大消費地中心の販売に取り組んできましたが、今後はエリア別の戦略展開も考えなくてはならないと思います。それぞれの地域に特色があると思いますから、ターゲットを絞って販売先を広げることも必要ではないかと思っています。それから県本部のなかには地元の生協と密着しているところもありますから、相互に補完しあえる仕事も大切になってくるのではないかと考えています。
また、毎年、販売促進のため国際食品・飲料展「フーデックス・ジャパン」に出展していますが、ここに33県本部の特徴商品もあわせて展示、PRコーナーを設置し、アピールする、そして可能なところは全国本部とともに商談まで進めるというようにこの場を活用していきたいと考えています。
原田(康) いずれにしても全農グループが持っている機能、役割を発揮することが直販事業の販売力強化につながるということですね。今日はどうもありがとうございました。
JA全農東京生鮮食品集配センター場長 江郷 明氏
◆「鮮度管理販売システム」を確立
江郷場長は急用のため座談会に出席されることができなかったので、後日、インタビューをした。本号ではその概要を掲載し、次号で具体的な内容を掲載することにした。
JA全農東京生鮮食品集配センター(東京センター)は、北戸田駅前の開発計画によって、現在の埼玉県戸田市新曽から同市美女木へ今年11月に移転します。新センターの建設は終わり、現在は、ハード・ソフトの最終テストなど移転に向けての準備を、日常業務と並行して進めています。
新東京センターは、全館温度管理を実現し、入荷から納品までのコールドチェーンを徹底するとともに、最新鋭の物流情報管理システムにより流通過程を明確化するなど、次代を見すえた「鮮度管理販売システム」を確立することを基本コンセプトに建設されました。
温度・鮮度管理としては、コンピュータ管理される自動倉庫内は2温度帯(5℃と10℃)で管理され、荷さばき作業場も15〜18℃に保たれるので、産地予冷倉庫―冷蔵・保冷車での搬入―センター―冷蔵・保冷車での納品―取引先売場というコールドチェーンが徹底できることになります。
全館が温度管理され、24時間荷受体制をとるので、産地は鮮度面での環境がいい時間帯に収穫し、最適な時間に搬入することができるようになります。例えば、センターの閑散時間帯である昼間でも、鮮度の心配をしないで搬入することも可能です。
最新鋭の物流情報管理システムの導入で、JA・品名・等階級・数量などの産地情報と取引先からの発注情報をマッチングさせ、自動倉庫システムと連動して出荷されるので、流通過程・履歴がいっそう明確化されるほか、構内動線を短縮し、荷さばき作業のスピードアップがはかられます。
こうした最新鋭のハード・ソフトを有効に活用して、消費地のニーズ、産地の生産情報を的確にタイムリーに発信するとともに、取引先のニーズにあった商品企画を提案することで、売場を確保し、輸入農産物の増大・価格低迷に悩まされる生産者の所得を確保するための支援をすることが「売場のない卸売市場」ともいえるセンターの仕事だと考えています。(談)
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座談会を終えて
口に入る食べ物は安全であることが当たり前で大前提、「安全だ、安全だ」と声高に言うことがおかしい。
「安心」というのは提供する側ではなく、買って食べる方のセリフであれる。
農家・組合員の皆さんが全農に期待するのは、自分たちで育てた農産物・畜産物を金にすること、販売をする力を持つことである。
スーパー、レストランや食品メーカーが外国の安い商品・原料の調達に走る一方で、安心して売ることが出来る国産の農・畜産物の供給を全農に期待している。
全農グループの販売の第一線の奮闘振りはまことに頼もしい。
取引先がどのような商品を求めているかを産地に伝え生産し、更に付加価値を付けた商品を産地情報と共に取引先に提供するという農協組織ならではの機能を発揮している。このような関係の積重ねが信頼を築く。
統合連合になってグループ企業を含めると、全農の持つ商品はあらゆる農畜産物とそれらの加工品となる。
量販店のバイイングパワーに互角に対応をするためには、個別の品目を総合としたトップとの商談が決め手になるだけに「大消費地販売推進部」(販推部)の活躍がますます期待をされている。(原田)
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