農業協同組合新聞 JACOM
   
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精米工場の概念を変える品質管理システムを開発
《(株)東洋精米機製作所》

 高性能精米関連機器やBG無洗米の開発で知られる(株)東洋精米機製作所(本社=和歌山市黒田12番地:雑賀慶二社長)は、従来の精米工場の概念を変える「品質不適合品の出荷防止システム」と「排出物収集管理システム」という、2つの画期的なシステムを新たに開発した。
 「品質不適合品の出荷防止システム」の概要は次ぎの通り。

記者発表する雑賀社長(右)と前田専務
記者発表する雑賀社長(右)と前田専務
 精米工場の品質管理は、製造したコメ商品が、顧客を満足させられるかどうかをチェックし、品質基準を満たさない製品は、出荷しないようにすることで事故を未然に防いでいる。
 しかし、コメに混入している「しらた」や「焼け米」が、どの部分にどれだけ含まれているか分からないだけに、本来なら全量をチェックし、不適合な部分は排除する必要があるが、現実にはそれは不可能なため、従来の精米工場では、抜き取りによるサンプルチェックで済ましている。
 それでは全量をチェックしたことにはならない。更にもしチェックに引っかかったとしても、その時点で既にそのロットの製品は袋詰めされ、生産済みになっているか、パッカーのタンクに入っている状態にあり、それでは既に手遅れである。
 一方、最近は、全量チェックのできる装置がすでに存在するように思われているが、それも数分間に1回程度自動的にサンプル測定するだけであり、品質的に駄目の判定が出ても、生産進行体制に即応出来なければ意味がない。
「品質不適合品の出荷防止システム」
「品質不適合品の出荷防止システム」
 今回トーヨーが開発した「品質不適合品の出荷防止システム」(通称「エンマ品管」)は、これまでの不完全なコメ品質チェックに代わり、自動的に流れ作業中のコメ全量について良否判断を行うと共に、そのチェックが済むまでは丁度、閻魔大王の判定が出るまでコメを待たせ、「OK」が出て初めてそこを通過でき、また「NO」の判定が出た時は、その箇所のコメが「OK」の判定が出るまで、何度も元の選別ラインに戻される方式だ。それでも精米工場の生産ラインは順調に流れ、全く停まることがないというシステムだ。
 このシステムは、コメの流れを常に監視し、連続してリアルタイムに良否判断が繰り返され、再選別されて出荷されるということだが、このシステムは色彩選別機の感度を最適の状態に自動調整するので、ロス米の発生(不良品として排出される良品)を可及的に抑え、製品歩留りを著しく向上させる。
 またこのシステムは、どの産地の、どのロット原料玄米にどれだけの「しらた」や「焼け米」が混入していたかのデータを記録管理するので、精米工場側は産地に対し、データを示して苦情等の説明が出来るなどの利点がある。
 なお、「品質不適合品の出荷防止システム」は、設備システム全体に関わるものであることから、単体での販売は行わない。「排出物収集管理システム」は次回に紹介する。

(2005.3.28)



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