(株)東洋精米機製作所の雑賀慶二社長は、去る5月14日、東京農業大学で開催された「第59回日本栄養・食糧学会」大会において、従来の米の概念を超えた新形質米について「高栄養・良食味精白米の製造法」のテーマで発表した。
精白米はその搗精度によって、残存栄養成分と食味及び消化性は反比例する。つまり、美味しい米は栄養価が低く、栄養価の高い米は消化も悪く不味い。高栄養と良食味は二律背反の関係にある。
そこで雑賀慶二氏は、消費者が求める高栄養・良食味精白米の開発を目指し、研究に取り組んできたが、自身がかって発表した「無洗米加工の食味向上法」をさらに進化させることにより、完全精白米よりも高栄養で食味の良い精白米の製造が可能となった。
製造方法のポイントは、1,胚芽をできるだけ残すものの、口の中でザラつく胚芽の表面部を削り取り胚盤を残す。 2,旨み層をできるだけ残すと共に、保水膜の形成を阻害する肌ヌカをほぼ完全に除去する。
3,食味上のマイナス要素となる米肌の傷を無くす、である。
上記の製造法による精白米は、研がずに炊飯できる上、従来の完全精白米、胚芽精米、分搗き米、玄米のどれと比較しても美味で、完全精白米よりも栄養成分を多く摂取できる。
炊飯した時の外観上の特徴は、光沢も白さも完全精白米とほぼ同じであるが、飯粒に金色の胚盤が目に付くことだ。
この精白米は、従来のコメのどのカテゴリーにも入らない。金色の胚盤が目立つことや、美味しく栄養価も高いことなどから、「金芽米」と命名された。
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