農業協同組合新聞 JACOM
   
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新たな学会の姿を求めて 日本農薬学会設立30周年
《日本農薬学会》

梅津憲治新会長
梅津憲治新会長
来賓としてあいさつする大内農薬工業会会長
来賓としてあいさつする
大内農薬工業会会長
 日本農薬学会は3月18日〜20日の3日間、明治大学駿河台キャンパスにおいて『日本農薬学会設立30周年記念行事および第30回記念大会』を開催した。新会長(第16代)には、大塚化学ホールディングス(株)の梅津憲治専務が就任する。民間からは初。
 同学会は1975(昭和50)年、作物保護や農薬をめぐる諸問題を考え研究する団体として設立された。農薬科学の発展を通し人類の福祉、人口問題、地球環境などの諸問題の解決を目的としている。
 30周年記念行事および記念大会では、多くのイベントが目白押しであったが、記念式典で来賓として挨拶に立った熊沢喜久雄日本農学会会長は化学合成農薬の変遷を語るなか「最近の農薬は低薬量で環境にやさしいものが開発され持続型農業に貢献している」、また大内脩吉農薬工業会会長は昨今の農薬情勢を語るなか「消費者に農薬を正しく理解してもらうためにも産学官の連携・強化がいまこそ求められている」と、それぞれ学会発展にエールを送った。
 新会長の梅津憲治氏は1946年、山形県米沢市生まれの58歳。「農薬科学の発展に貢献できるような施策を実践していくとともに、農薬の安全性、有効性、潜在的な危険性などの啓蒙活動を通じ農薬学会の社会的使命を果たしていきたい」と語っている。
 3月23日、ポスト農薬学会セミナーが京都大学で開催されるが、今後のもっとも大きなイベントは2006年8月に神戸大学で開催される『国際農薬化学会議』で、世界から約1300名が集まる。なお、日本農薬学会第31回大会は2006年3月21〜23日、福岡工業大学で開催される予定。
 【平成16年度日本農薬学会賞受賞者およびテーマ】
 〈奨励賞〉下村勝(近畿大学):ネオニコチノイド系殺虫剤の選択性に関する分子機構の解明 水口智江可(ワシントン州立大学):昆虫脱皮ホルモン様活性物質ジアシルヒドラジン類の作用機構に関する研究
 〈業績賞(研究)〉三芳秀人(京都大学大学院):ミトコンドリア呼吸鎖酵素の阻害剤に関する研究
 〈業績賞(技術)〉脇田健夫、安井直子、山田英一、岸大輔(三井化学):殺虫剤ジノテフランの開発 井上雅夫、中村知史、藤本博明、笠松紀美(住友化学):非散布型害虫防除製剤、ピリプロキシフェン含有テープの開発
 〈論文賞〉柿谷均(東ソー)、平井憲次(相模中央化学研究所):植物の4−ハイドロキシフェニルピルビン酸酸化酵素の3次元モデル−トリケトン系除草剤の分子的標的
 〈功労賞〉丸茂晋吾(名誉会員)、橋正三(同)、武居三郎(顧問)、P.ベーガー(ドイツ・コンスタンツ大学)
パネルディスカッションから(3月18日、明治大学にて)
パネルディスカッションから(3月18日、明治大学にて)

(2005.3.22)



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