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参加者はキャンパス内外を樹木医と歩き、
樹木の健康状態を観察した |
芝浦工業大学システム工学部(米田隆志部長、さいたま市見沼区)主催のシンポジウム『都市における里山環境の保全再生と市民・企業・行政の役割』が5月14日、同大大宮キャンパスで市民、学生、専門家ら約200名の参加のもとに行われ、里山環境のありかたを探った。
昨今、自然の再生が課題とされているが、こと里山環境の保全再生の方策についてはさまざまな取り組みが見られる。同シンポジウムは現場の事例報告をもとに、里山環境における専門家と市民の交流の場を提供するもので、当日は樹木医による樹木診断法の講習も行われた。
基調講演では、NPO(特定非営利活動)法人アサザ基金の飯島博代表が『霞ヶ浦におけるアサザ基金―循環型公共事業の発想と実践―』を講演。霞ヶ浦の再生は「湖の中にこそヒントと可能性があった」とし、「霞ヶ浦と真摯に向き合うことで浮葉植物のアサザに行き当たった」という。
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深沢尚樹さんによる
屋外ロープワークの実演 |
同大環境システム学科の松下潤教授が座長となったパネル討議では、『見沼区の里山環境の変遷とこれからの課題』がテーマとされた。埼玉県生態系保護協会の野中みどり浦和支部役員、神奈川県自然環境保全センター研究部の中川重年専門研究員が出席し、それぞれ「自然再生の重要性」を強調した。3者とも、自然の再生を具体的にどうやっていくのかを提案し、活発な討議が行われた。
『木をよく見てみよう』の樹木医講習会では、日本樹木医会埼玉県支部の鈴木信晶会員が「樹木医の仕事」、「樹木ってなに」などについて分かり易く解説した。また、アーボリスト(樹芸士)・樹木医の深沢尚樹さんによる屋外ロープワークの実演も行われた。さらに、レジストグラフなど樹木診断器具の使用方法の説明と実演も行われ好評だった。 |