日産化学工業(株)(藤本修一郎社長、本社:東京都千代田区)はさきごろ、『平成17年3月期決算短信(連結)』を公表した。
それによると、売上高1613億9400万円(前期比3.5%増)、経常利益173億8000万円(同18.7%増)、当期純利益112億6000万円(同29.1%)と、それぞれ伸長した。国内の売上高は1288億7500万円、輸出は325億1900万円となっている。期末配当は、1株7円。
当期は、原油価格の高騰に加え、後半にかけてのデジタル家電市場における在庫調整などに伴い、景況感にかげりは見られたものの、緩やかな企業収益改善をバックボーンに、設備投資意欲は引き続き根強く、中国を中心とするアジア市場の需要も堅調であったことから、国内景気は全般的に底堅く推移した。
この背景のもとに、化学品部門の売上高は、電子材料関連製品を中心に大幅な増加となり、農業化学品部門においても、非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドアップ」の顕著な動きなどにより、全体の売上は増収となった。
いっぽう、医薬品部門では、高脂血症治療薬「リバロ」錠の原薬出荷が、流通段階での在庫調整の影響により、前期を下回った。
《農業化学品部門の概要》 国内の農薬市場は、概ね前期並みの環境下で推移するなか、主力製品の「ラウンドアップ」が売上を伸ばした。また、競合の激しい水稲用除草剤分野でも、「シリウス」、「マーシェット」などが増収となり、国内全体での売上は前期を上回った。
海外では、米国における穀物相場の上昇、欧州での良好な天候などに恵まれ、農薬需要は堅調に推移したが、畑作用除草剤「パーミット」が北米における在庫調整の影響を受け減収となったことなどにより、輸出全体での売上高は、前期並みに止まった。
肥料は、全般的な需要低迷が続くなか、売上は減少した。
|