報農会(刈屋明理事長、東京都小平市)はさきごろ、農業における新たなチャレンジと植物保護をテーマに『第20回報農会シンポジウム 植物保護ハイビジョン−2005』を開催した。20回を記念し、河野義明実行委員長が「シンポジウム20年の歩み」を講演している。
報農会は、植物防疫に関する学術技術の研究、交流および普及をはかっていくために、1961年に設立された。故館野栄吉氏(旧日本特殊農薬製造・現バイエルクロップサイエンス)の、植物防疫の発展を推進しようという遺志を継いだもので、専門家の育成、農家子弟に対する奨学金供与、関係学会などへの援助を行っている。
河野実行委員長は、シンポジウムの特徴のひとつとして「毎回、実践農家の方に話をしていただくこと」をあげ、「植物保護の究極の目的は、農業現場での実践にあることを再認識すべき」としている。
功績者表彰では、赤井純(元北海道立中央農業試験場)、鈴木昭治郎(元武田薬品工業(株))、高橋富治(元群馬県農政部)、田村多利(元熊本県農政部)、米山伸吾(元茨城県園芸試験場)の5名が表彰された。
この中で、鈴木昭治郎さんは武田メル、武田マイシン、セルジオン、バリダシン、パダンなどの創製に携わったほか、ハスモンヨトウ性フェロモンおよび武田式乾式トラップの製品化に貢献したわが国における昆虫性フェロモン実用化の先駆け。「これだけの人物が、今後世に出る可能性は少ない」(業界評)と言われる逸材。
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報農会シンポジウムから |
功績者を表彰(左から2人目が鈴木昭治郎さん) |
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