バイエルクロップサイエンス社(本社:ドイツ・モンハイム)はこのほど、アリスタライフサイエンス(株)(本社:東京都中央区)に対し、汎用性の高い殺虫剤プロチオホス(Tokuthion、Toyodan、Bideron)の世界的ビジネスを売却した。
日本では、1976(昭和51)年に粉剤で最初に農薬登録を取得している。有機りん剤ではあるものの、その特異的な作用から約30年にわたり農家から親しまれている(表参照)。
平成15年の国内プロチオホス剤市場は、約8億4000万円となっている。売却金額など詳細は明らかにされていない。
バイエルクロップサイエンス社にとって、今回のプロチオホスの売却は有効成分数を整理するポートフォリオマネージメントにおける世界戦略の一環。
同社では、今回のプロチオホスの売却に先立ち、2005年までにアリスタライフサイエンス社に殺虫剤アゾシクロチン(ダニ剤「クリアマイト」)とアミトラズ(同「ダニカット」)を売却している。
バイエルクロップサイエンス社は、約60億ユーロ(約8300億円強)の売上高を有する農薬、種子、植物バイオテクノロジーならびに防疫薬における世界の主要な研究開発型メーカー。
一方、アリスタライフサイエンス社の世界での売上は1030億円余(2004年)となっている。同社のクリストファー・リチャーズ社長兼CEOは、「国内市場では、特にトクチオンはオルトラン、オーソサイドなどの商品群を補完するとともに商品ラインをいっそう拡充させることができる。世界的にも大きな魅力がある」と語っている。
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