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花開く産地間リレー栽培 今後は認知度アップが鍵
《東日本板橋花き》

代表取締役の樋口利一氏
代表取締役の樋口利一氏
 (株)東日本板橋花き(樋口利一社長、本社:東京都板橋区)は2月25日、東京都文京区の椿山荘において『第3回トルコギキョウ生産者交流会』を開催した。平成14年の東京、平成15年の静岡での開催から枠を拡げ、今回はJAなどから約100名が参加した。
 冒頭、主催者を代表し挨拶に立った東日本板橋花きの樋口博紀企画開発部長は、「産地の活性化は、生産者同士の連携から生まれる。今回の交流会によって、より一層トルコギキョウの世界が拡がることを祈る」と交流会の開催意義を語った。
 交流会では、トルコギキョウにおいても抜群の強みをもつ(株)サカタのタネの森一俊氏(三郷試験場)が主要品種の動向を、また、久保田芳久氏(西日本支店)がオランダの生産状況および市場動向を、それぞれ特別講演した。
盛り上がりを見せた交流会(2月25日、椿山荘にて)
盛り上がりを見せた交流会(2月25日、椿山荘にて)
 トルコギキョウの故郷は、アメリカ南部の大平原からメキシコにかけての高原地帯。もともとはロッキー山脈の東側に位置するコロラド州やニューメキシコ州、テキサス州などの乾いた荒野を中心に分布していた種で、「平原のリンドウ」とか「テキサスのキキョウ」などと呼ばれていた。
 タネから育てられる切り花品種として、今や世界中でもっとも親しまれているトルコギキョウ。日本に入ってきたのは昭和初期のことで、親しまれるようになってからまだ50年ほどしか経っていない、比較的新しい花だ。本格的に育種が行われるようになったのも、今からほんの30年ほど前のこと。
 ちなみに、世界初のF1品種「峰シリーズ」を誕生させたのもサカタのタネ。同社はその後、ブライダルの名花「キング
会場で展示されたトルコギキョウ(右から『春うらら』、『リネーショングリーン』、『エクローサグリーン』)
会場で展示されたトルコギキョウ
(右から『春うらら』、『リネーショングリーン』、
『エクローサグリーン』)
 オブ スノー」、今までにない花色の「あずまの調」、アレンジに使いやすい「ピッコロ」シリーズ、究極のバラ咲き「ロジーナ」シリーズなどを開発している。
 交流会には、JA北いしかり、JA新庄もがみ昭和・萩野、JAおものがわ、JA八郷町、JA北つくば、JA中野市、JA静岡市、JA熊本市など多くのJAが参加した。JA中野市の海野力さんは、「管内は共選共販に強い地帯です。トルコをはじめて18年ほどになりますが、夢のある世界だと思います。今後は、より一層(栽培)技術指導を充実させたい」と語っている。
 現在、切り花類の市場は卸売ベースで3440億円となっている(農水省統計部・平成15年)。上位10品目を見ると、何といっても1位のきくが996億9000万円(シェア29%)と他を圧倒している。以下、ゆり、ばら、カーネーション、洋ラン類、トルコギキョウ、スターチス、宿根かすみそう、ガーベラ、アルストロメリアの順となっている(グラフ1)。
 126億円(シェア3.7%)と6位のトルコギキョウだが、この10年間を見ても大きな増減はなく安定した市場となっている(グラフ2)。本来、夏に咲くトルコギキョウだが、産地間のリレー栽培により周年供給を果たしたことは大きい。今後は、認知度の一層のアップとともに安定した供給が成長の鍵になると思える。
 【(株)東日本板橋花き】
 ◇代表取締役・樋口利一
 ◇所在地・〒175−0082 東京都板橋区高島平6−1−5
 ◇設立・平成2年11月8日
 ◇資本金・2億4000万円
 ◇年商・103億円(平成15年度)
 ◇取扱品目・生花、鉢花
グラフ1切り花類の卸売価額
グラフ2トルコギキョウの卸売価額の推移
(2005.3.7)


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