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フザリウム菌の抵抗性もたせ アスター新色3品種を追加
《サカタのタネ》

 (株)サカタのタネ(高橋英夫社長、本社:横浜市都筑区)では、切り花用小輪一重咲きアスター『シエナ』シリーズの新色として『シエナ・カーマインレッド』、『同ピンク』、『同ライトブルー』の3品種を開発、まもなく生花生産者からの本格的な出荷販売に入る。
 『シエナ』シリーズは、アスター栽培最大の問題であるフザリウム菌(注1)による病害に対して抵抗性(注2)を持たせた品種で、2001年の「同ホワイト」の発売以来一重咲きの小輪として、その可憐さが広く受け入れられていることからフラワーアレンジメント用に主に用いられ、追加色の登場が切望されていた。
 アスターは、中国原産のキク科カリステフス属で別名「エゾギク」とも呼ばれる1年草の草花。フザリウム菌による立ち枯れ病に弱く、同花を栽培すると土壌中のフザリウム菌の菌密度が高まり、通常は同じ圃場(畑)で続けて栽培することができない。
 サカタのタネでは、早くからアスターにおけるフザリウム病抵抗性に取り組み、「松本」シリーズなどフザリウム病抵抗性品種の開発を積極的に行ってきた。今回、新色3品種を追加した『シエナ』シリーズもフザリウム病抵抗性で、連作障害の発生を小さくすることができるため、同一の畑への次の作付けまでの期間を短くすることができる。
 出荷販売について、種子は限定先行販売されていた『シエナ・カーマインレッド』、『同ピンク』を含む3色の新品種とも5月1日から一般販売が開始される。いずれも種子10ml入りで税込希望小売価格は6300円。また、生花については2005年7月ごろから出荷が開始され(『同ライトブルー』のみ8月以降の出荷開始)、8月以降の本格的な市場出荷の予定。
 (注1)フザリウム菌:立ち枯れ病などを起こす土壌病害菌で、カビの一種。花や野菜など多くの植物に寄生する。
 (注2)抵抗性:ここでの抵抗性は圃場抵抗性のことで、全ての個体がフザリウム菌に罹病しないわけではない。
(c)アスター『シエナ』シリーズ新色3品種『ピンク』、『ライトブルー』、『カーマインレッド』のアレンジ例
©アスター『シエナ』シリーズ新色3品種『ピンク』、
『ライトブルー』、『カーマインレッド』のアレンジ例
(2005.4.13)


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