日本農薬(株)(大内脩吉社長、本社:東京都中央区)とポーラ化成工業(株)(鈴木郷史社長、本社:静岡市)はこのほど、外用抗真菌剤「ルリコンクリーム1%」、「ルリコン液1%」(一般名:ルリコナゾール)の製造承認を取得したと発表した。
ルリコナゾールは、日本農薬(株)がイミダゾール系化合物の探索研究により発見した外用抗真菌剤としては初めての光学活性を有する新医薬品であり、真菌のエルゴステロール合成阻害作用や、プロテアーゼ産生阻害作用により幅広い抗真菌スペクトルと強い抗真菌活性を特徴としている。
本剤の主な適応症である足白癬(あしはくせん・水虫)は、皮膚真菌症の中でもっとも患者数が多く、潜在患者も含めると日本では2500万人以上と推定されているが、再発、再感染を繰り返すため完治しづらい疾患とされている。
日本農薬(株)は、ポーラ化成工業(株)と共同で開発を進め、足白癬を対象とした比較臨床試験において、ルリコンクリームは対照薬の半分の塗布期間で対照薬と同等の治療効果を示し、本剤の有効性および安全性を確認することができた。
さらに、足白癬以外にも体部白癬、股部白癬、カンジダ症、癜風を対象とした臨床試験を行い、優れた臨床成績が得られている。これらの結果により、「ルリコン」は皮膚真菌症、とりわけ多くの水虫患者にとって、有用な治療薬に成長するものと期待されている。
原薬製造を日本農薬(株)が行い、製剤製造をポーラ化成工業(株)が担い、(株)科薬(福島信社長、本社:東京都板橋区)が販売を担当する。医家向けに、7月上旬からの販売となる模様。3年後の販売目標を約20億円(シェア10%)と見込んでいる。日本農薬(株)では、さらに海外への展開も視野に入れている。
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