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技術士試験に挑んでみよう もっとも権威ある国家資格
《日本技術士会》

 文部科学大臣指定試験・指定登録機関の(社)日本技術士会(本部:東京都港区)では、技術士への受験を広く呼びかけている。科学技術の発展に対する社会および国民のニーズは高く、もっとも権威ある国家資格にあなたも挑んでみてはどうだろう。
 技術士制度は、文部科学省が所管し、科学技術に関する技術的専門知識および応用能力と豊富な実務経験をもち、高い技術者倫理を備えた優れた技術者の育成をはかるための国による資格認定制度。
 技術士になるためには、技術士第1次試験の合格から。試験の程度は、大学のエンジニアリング課程程度とみてよい。試験は基礎、適性、共通、専門の4科目からなる。このうち、共通科目は数学、物理、化学、生物、地学の中から2科目を選択する。ただし、4年制の理系課程卒業者や甲種危険物取扱者など、所定の国家資格をもつ人はこの共通科目が免除される。

(図)
(社)日本技術士会 資料より
(社)日本技術士会 資料より

 1次試験合格者および法令でそれと同等と認められた人は、修習技術者となる。修習技術者は、(図)の3ルートのうちのいずれか1つの業務経験を取得して技術士第2次試験の受験資格を得ることになる。
 2次試験は農業、森林、水産、機械、生物工学、環境など21技術部門のうちから選択する1技術部門について、自然科学を基礎とした幅広い知識と高度な専門技術に基づいた総合的な判断能力が問われる。必須、選択の2科目からなる。合格となれば、登録申請の上、晴れて技術士に。
 技術士は、法令では名称独占の資格であるが、国の諸制度において業務上の特典が与えられている。例えば、建設コンサルタントまたは地質調査業者として国土交通省に登録できるなど。また、他の国家資格を受験するときその試験の全部または一部が免除される。
 さらに、技術士は資質のいっそうの向上をはかるために、資格取得後の研鑽が責務とされているが、APEC(アジア太平洋経済協力)において技術者資格の国際相互承認の検討が進められ、APECエンジニア制度として具体化されている。技術士は、一級建築士とともにAPECエンジニアとしての登録の対象となっている。
 今後、2国間や多国間の協定が締結された後、海外の技術者資格として認められることとなる見込み。
 技術士制度ができたのは昭和33年のことで、以来47年余の間(1次試験は、昭和59年度から)に(表)の通り延べ約35万人が2次試験に挑戦し、約7万2000人が合格している。いっぽう、1次試験には約21万人が挑み約7万4000人が合格している。

合格者などの推移
(表) 合格者などの推移

 技術部門別のウエイトは(グラフ1)の通り。平成16年末現在、21技術部門の技術士合計は約5万5000名だが、複数部門を取得している技術士がおり、登録部門数は約6万3000となっている。建設部門の約47%をトップに、総合技術監理、上下水道、電気電子、機械が比較的多いといえる。
 業態別分布では、全技術士の約7%がコンサルティング・エンジニアとして自営し、約37%はコンサルタント会社に勤務、約56%は建設会社や製造業などに勤務している(グラフ2)。
 なお、『第32回技術士全国大会』は、10月19日〜20日の2日間、福岡市中央区のホテルニューオータニ博多で開催される。記念講演は、『水素利用社会の実現に向けて』のテーマで九州大学大学院工学研究院機械科学部門の村上敬宜教授が行う。

技術部門別のウエイト 業態別の分布
(グラフ 1) 技術部門別のウエイト 
(グラフ 2) 業態別の分布 

 〈問い合わせ〉〒105−0001 東京都港区虎ノ門4−1−20 
          (社)日本技術士会 事務局 電話(03)3459−1331 
          《URL》http://www.engineer.or.jp

(2005.6.20)


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