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国産小麦食パン |
山崎製パン株式会社(社長:飯島延浩)は昨年9月、国産小麦を100%使用した「国産小麦食パン」を全国一斉発売した。国産小麦は主にうどんの原料として使用されており、パンの原料としては一部を除いて使用されることはなかった。
しかし、同社の研究・技術開発の結果、品質改良剤として添加する臭素酸カリウムの残存量を低減させ安全性が確認されたことなどにより、国産小麦100%の食パンの製造が可能となり、商品として市場に出すことができた。
国産小麦「ホクシン」に、パン用に開発された「春よ恋」をブレンドしたもので、昨年9月の発売以来、安定した売り上げがある。
そのような山崎製パンの取り組みに対し農水省は、国内農産物の振興と食料自給率の向上に貢献しているとして、感謝状を贈った。感謝状は8月25日、副大臣室で常田副大臣から飯島延浩社長に手渡された。
飯島社長は緊張した面もちで感謝状を受け取り、「食料自給率に少しでも貢献できることは喜びです。国産小麦であることを広く宣伝し、より多くの人に食べてもらえるようこれからもしっかり売っていきたいと思います」と喜びを語った。また、常田副大臣からは、国産農産物の振興や自給率向上に向けこれからも頑張ってほしいとの、励ましの言葉があった。
国産小麦100%使用の食パンの開発には、飯島延浩社長の思いも重なっている。平成10年、飯島氏は食料・農業・農村基本法の基本問題調査会委員に就任し、調査会では国産農産物の振興と自給率の引き上げを主張した。国産小麦100%の食パンを普及させることは、その思いを実現させることにつながる。
また、企業としても国内農産物を使用するための研究や開発を行うことは、自給率を向上させ日本農業再生へ道を開き、大きな社会貢献となる。国産小麦食パンは発売以来、月平均1万4000斤が販売されている。同社の販売量に占める割合は1%以下と僅かだが、今後も販売に力を入れていくとしている。
今回、山崎製パンが農水省から感謝状を贈られ、高く評価されたことは、国産農産物の普及促進、自給率向上に大きな意味があり、このような取り組みを行っている企業を励ますものだ。
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感謝状を受け取る飯島社長 |
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