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『カサブランカ』 |
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『コンカドール』 |
(株)サカタのタネ(高橋英夫社長、本社:横浜市都筑区)が友の会会員向けに発行している『園芸通信』9月号では、『原種ゆりから交配種まで ゆりの魅力と楽しみ方』を特集した。同社の農場でゆりの試作に従事した坂本忠一さんが解説している。
自生している地域は北半球のみに限られ、陸地面積の3分の1にも達する広大な地域に約130種のゆりが分布しており、4つの地域に分かれるという。もっとも分布が多いのが、日本を含むアジア地域であることはいうまでもない(グラフ)が、熱帯やヒマラヤの高地および北緯64度のツンドラに近い環境での自生など、幅広い地域での分布も見逃せない。
ゆりの改良は、わが国では元禄時代に始まっている。当時は、山ゆりやすかしゆりの原種を交配親として改良を行っているが、圧巻なのは200年も前にすかしゆり類と小鬼ゆりとを交配して、世界初の種間雑種のゆりまで作り出していることだ。
白いゆりの花は純潔の象徴であり、やまゆりの花は清楚な美女のたとえとして言い伝えられ、「立てば芍薬 すわれば牡丹 歩く姿はゆりの花」と讃えられた。近年、オランダが国を挙げて営利性の高いゆりの改良を行い、世界中に球根を輸出しているというが、梅雨時期に田舎で見た(国産の)やまゆりの花が今も忘れられない。
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