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千葉市で「農薬ゼミ」 主婦など200名が参加
《農薬工業会》

佐伯さん(左)と板橋さん
佐伯さん(左)と板橋さん
 農薬工業会関東支部(中村敏支部長=日本農薬(株)東京支店長)は3月16日、千葉市の「ぱ・る・るプラザ千葉」において『お母さん、知って安心、家族も安心 やさしい「農薬ゼミ」』を開催、主婦層を中心に約200名が参加した。
 近年、食の安全・安心、健康志向の中で消費者の農薬に対する関心が高まっている。同会では農薬とは何か、農薬の役割と安全性などについて消費者とのコミュニケーションの一環として「農薬ゼミ」を開催している。関東支部の主催としては、新潟市に続く2回目。
 パネリストとして、本山直樹千葉大学園芸学部教授・農学博士、真板敬三(財)残留農薬研究所理事・農学博士、さらに生産者代表として佐伯時夫さん(JAちばみどり園芸連絡協議会会長)、板橋俊治さん(ヤマニ果樹農園経営)が出席した。総合司会は、フリーアナウンサーの松田朋恵さん。
 佐伯さんは米づくりやハウスで春菊、ししとうを栽培している。また、板橋さんはナシ、ブドウ、ブルーベリーを中心とした果樹農家。お二方とも栽培に対するこだわりと熱い情熱をもっておられ、「農薬の使用基準をきちっと守ることが大切です。生産履歴を明確にし、消費者の方々に安全・安心を届けたい」、と語った。
 一方、消費者からは、「食の安全・安心を自分自身で確認するためにゼミに参加した。非常に分かりやすいお話だったと思う。改めて、農業の大切さや食料の重要性を考えることができました」(市内・主婦)などのほか、登録制度や毒性など専門的な質問もあった。
 本山教授は、「農薬は、厳しいハードルを越えて登録認可を受けたものが使用されており、安心していただきたい。わが国の食料自給率は40%あまり。経済力に頼った農産物の輸入ではなく、国内の自給率を高めるためにも生産資材としての農薬は必要だ。安全・安心な農産物生産のためには、農薬を正しく使っていくことが大切」とまとめた。
 来場者には、お土産として千葉県産(JA全農ちば管内)のホウレンソウ、ミニトマト、ニンジン、やわらかおいも、JAちばみどりの『手軽で簡単料理レシピ集』などが贈られている。

【JA全農ちば 川端富雄副審査役の談話】

総合司会の松田さん
総合司会の松田さん

 本山、真板両先生から農薬の安全性とその重要性をきちんとしたデータをもとに分かりやすく解説していただいたことで、農薬の役割を理解していただくとともに、農薬に対する偏見を解消していただけたのではないかと感じます。
 JA全農ちばでは、農薬取締法の改正にともない『もっと安心農産物生産・販売運動』を展開し、登録のある農薬を使用基準に基づき、しっかり使っていく。できれば使用回数も合理的な方法で削減していこうといった指導を行っています。
 IPM(総合的病害虫・雑草管理)にもいち早く取り組んでいます。誰でもが安心して農薬を減らせるような取り組みをかなり以前から手掛けており、これを実際の現場におろしていくことが大切。生産履歴の記帳も重要。ポジティブリスト制度の導入も、きちっと取り組んでいる方々にとってはそれほど大きな問題ではありません。

(2006.3.17)


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