茨城の農業生産法人「有限会社シャリー」(茨城県猿島郡五霞町、鈴木一男代表)は、本年6月、低温倉庫、ライスセンターと精米工場を建設した。この施設の稼働により、同社の米の乾燥調製能力は大幅に増加し、さらなる地域農業への貢献が期待されている。
同社が位置する五霞町一帯は、温和な気候、水と緑に恵まれた地域であり、農産物の一大生産拠点として、首都圏の食糧供給に重要な役割を担っている。
(有)シャリーは、平成5年に設立され、平成17年農業生産法人の認定を受けている。水稲は自作地・作業受託と合わせ63haに作付けしている。作業の省力化を図るため、大型機械設備(トラクタ9台、10条植え田植機など)の充実や、平置育苗、除草剤田植え同時散布などを実施している。
作付け水稲品種も、こしひかり、あきたこまち、ひとめぼれ、ゆめひたち、など多様であり、収穫期の分散が図られている。また施肥には自家製籾殻堆肥を施用するなど、こだわりを持って栽培されている。
今回建設した設備は、低温倉庫、ライスセンター、精米工場の複合施設で、ライスセンターは乾燥機8台(総石数:488石)、籾摺機(GPS8000)1台、粒選別機(VG60A)1台、フレコン計量ユニット(SFK-1000S)1台を備えている。
精米工場は、精米機(SAFF2A:2トン/時)1台、色彩選別機(RMGS281AMS他)2台、乾式無洗米装置(300kg/時)1台、パッカー2台を備えている。このライスセンターの処理能力は120haで、今後取引が増えても十分対応できる。
また同社は、このほど米の登録検査機関より、検査場の指定を受けたが、鈴木代表は「今後は、自社で検査員を育成していきたい。出荷する米の品質には十分気を付けていく」と抱負を語った。
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精米工場内部(左)品質の要、マジックソーター(中央)RC内部(右)
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