農業協同組合新聞 JACOM
   
アグリビジネス業界ニュース

微生物農薬「エコシリーズ」 生産者と消費者の架け橋に
《クミアイ化学》

 クミアイ化学工業(株)(望月信彦社長、本社:東京都台東区)は2月14日、記者会見で、微生物農薬で果実に対する汚れが少なく、保存性に優れた果樹・野菜用殺菌剤『エコショット』の市場投入を明らかにした。エコシリーズのグレードをいっそう高めるものと思われる。
 会見には、小高根利明JA全農肥料農薬部長もかけつけ、エコシリーズに寄せる期待とともにJA全農の安全・安心な国産農産物づくりへのコンセプトの一端を披露した。
 3月から市場投入する『エコショット』は、細菌であるバチルス・ズブチリスD−747株の芽胞を有効成分としたもので、(社)日本植物防疫協会による58カ所における公開委託試験において高い評価を得て、2005年10月に農薬登録を取得していた。
 対象作物は野菜類、ブドウ、かんきつとなっており、野菜は収穫前日まで使用可能。発病前に散布することで、植物体上で病原菌より先に定着し、病原菌の活動を抑制することにより防除効果を発揮する。急性毒性は普通物、魚毒性はA類相当と高い安全性。
 剤型も顆粒水和剤と扱いやすく、果菜類への散布後の汚れが少ないことが最大の特長。同社の微生物農薬「エコシリーズ」は、これまでにイネ種子消毒剤「エコホープ」、「エコホープドライ」2剤を先行させているが、今回の『エコショット』を加えることで、この分野のグレードをいっそう高めることになり、さらに「エコメイト」、「エコホープDJ」2剤他を加えていく。

 【望月信彦社長の挨拶要旨】
 JA全農が進める安全・安心への取り組みと連携し、エコシリーズを効果的に使用して頂けるよう技術的な支援も充実させていく。製品ラインを拡充させることにより、安全で安心な農産物づくりを実践されている生産者と消費者の架け橋となることを確信している。

 【小高根利明JA全農肥料農薬部長の挨拶要旨】
 JA全農は、安全で新鮮な国産農産物を消費者の方々にお届けするというテーマのもとに事業に取り組んでいる。
 安全・安心な国産農産物づくりには農薬の適正使用が欠かせない。JA全農としてもこれを明らかにするために、生産履歴記帳(トレーサビリティ)を生産現場で実践している。安全な農産物を消費者に提供するためには、化学農薬だけに頼ることなくIPM(総合的病害虫管理)への取り組みが必要だ。エコシリーズの登場は、これらの実践を加速させることになる。

(2006.2.21)


社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。