報農後援会(河野義明会長)の『ろまん報農』(第32号)が発刊された。巻頭を飾っているのは、クミアイ化学工業(株)の林茂常務。また、現在NPO法人「府中かんきょう市民の会」の竹田勇さん執筆による『アフリカ散見(3)』も読み応え十分。
同会は、昭和36年に設立された(財)報農会から、植物保護を志して育英費を受けた者、および海外渡航費の援助を受けた者が中心となって、会員相互の親睦、情報の交換、報農会の活動への協力などを通じてわが国の農業へ報恩することを念願して平成2年に結成された。
『農薬にかかわって−研究開発から営業へ−』のタイトルで巻頭を飾った林常務も報農会から奨学金を受けたひとり。一般の奨学金が月額3000円であった時代に、「報農会奨学金は月額4000円と潤沢で、旧特農(現バイエル)さんには足を向けて寝られません」という。
林常務は、主に殺菌剤の開発研究に携わってきた。農薬の役割は、効能だけでなく安全性が大切であることを入社後から強く認識していた。現在、営業を担当する同氏は「農薬は多く売ればいいということでなく、農薬に対する誤解や批判をこれ以上生じないように、適正に使用されることを心がけた販売が大切」という。
『アフリカ散見(3)』。マラウイ共和国の最重要課題は農業問題。総人口の90%が農村に住み、GDPの40%近くが農業で、輸出の9割近くを農産物が占めている。耕地面積の約80%がトウモロコシ栽培で、この作物の出来が国の食料事情を左右している。
政府は、現在「マラウイ・ビジョン2020」を策定し、その中で農業開発計画を進めている。基軸に「農業と畜産開発の戦略と行動計画」があり、貧困の減少と食料自給率の向上などを目指している。「日本からの協力隊員が、69名もこの国に派遣されている事実に驚いた」と竹田さん。マラウイは、わが国の援助を必要としている。
なお、現在までに報農会の奨学金を受けた育英生は延べ392名に達している(2006年7月20日現在)。
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リロンゲにある農業普及所の比較展示圃(左)
農村訪問時に集まった元気な子供達(右)
(写真提供:竹田勇さん) |
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