農業協同組合新聞 JACOM
   
アグリビジネス業界ニュース

九州の農薬卸が統合、九州最大の規模に
生き残りの試金石となるか

《グリーンテック九薬》

松木三男グリーンテック九薬社長
松木三男
グリーンテック九薬社長
 九州ブロック農薬卸の雄とも見られるグリーンテック九薬(松木三男社長、本社:熊本県熊本市)とアグリサポート(寺脇重幸社長、本社:同宇城市)は、平成18年12月1日に統合新会社を発足させる。予見された再編だが、生き残りへの確かな試金石となるのか。 存続会社はグリーンテック九薬で、統合後の新会社名は「グリーンテック」。惜しくも「九薬」が外された。現グリーンテック九薬の松木社長が統合会社の社長に就任する予定。資本金は、8140万円(16万2800株)。従業員数は、約100名強となる模様。単純なリストラを、「人を大切にする思い」(業界通)から積極的に回避したと推測できる。
 国の農業政策は、「食料・農業・農村基本法」のもとに基本計画が制定され、食料の安定供給の確保、農業の持続的発展、農村の振興に関する施策が展開されている。これを受け業界は、施策の実現に向け農業生産資材の流通および利用の合理化を目指し、生産費の低減をはかっている。
 今回の両社の合併は、経営効率をさらに高め地域農業の持続的発展と植物防疫の発展にいっそう貢献するものと期待されている。新会社は、九州最大の販売規模とネットワークを生かし、地域に密着した技術・情報・物流サービスに尽力し、新たな卸機能を創造していくなど、川下戦略のいっそうの充実をはかっていくのが主な狙い。

【松木三男社長の談話】
 業界は、生産性の高齢化ならびに輸入農産物の増加などによる作付面積の減少や防除形態の変化により、農薬の需要は減少傾向にあります。このような業界環境で熾烈な販売競争は経営を大きく圧迫しています。 厳しい経営環境に対応するため、企業合同による規模拡大と経営効率を求め、経営基盤の強化が不可欠です。
 この合併は、農薬卸販売を主要事業とする両社であり、全く違和感なく早期の融合と合併効果が得られるものと期待しています。

(2006.8.24)


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