(財)報農会は9月22日、東京都北区の「北とぴあ」で『第21回功績者表彰』を行った。植物防疫事業にひた向きに取組んだ約30名の候補者の中から青柳、相原、高田の3氏が選ばれた。そのひた向きな姿勢が、後継指導者に引き継がれることを本紙では切に願う。
功績者表彰は、(財)報農会の大きな事業の一つとなっている。候補者約30名の中から3名を2月に選考し、3月の理事会で正式に決定した。「3名の穏和な人柄が選考の大きな背景」(吉田幸二選考委員長)となった。6名の選考委員全員一致の選考。
表彰式では、「3氏は技術開発や現場での普及に尽力され、植防事業の基盤を構築された」(別所智博植物防疫課長)、「3氏の業績を、今後の植防事業に反映させていかなければならない」(梶原敏宏緑安協会長)ら多くの人から祝辞が寄せられた。
【表彰者の横顔と業績など】(所属は、概ね当時の名称)
◇青柳和雄 昭和2年4月18日生まれ。新潟農林専門学校農科卒。主に新潟県農業試験場で予察・環境などに携わる。旧八洲化学(現・協友アグリ)では技術顧問として、農試・普及センターなどに対応した。食料難を経験した同氏は、「米余りの時代を憂える」という。
◇相原次郎 昭和2年5月13日生まれ。神奈川県立農業技術講習所卒。県農政部、普及所、農業総合研究所など歴任。JA経済連・JAさがみの技術顧問としても貢献。柑橘ヤノネカイガラムシの発生生態の研究や自動回転式予察灯の考案が光る。「50年間にわたる皆様のご指導により、今日の私がある」と語った。
◇高田昌稔 昭和7年3月1日生まれ。東京農工大学農学部卒。横浜、門司、神戸植物防疫所などを歴任。クミアイ安全防除推進協会では、全農傘下の農協技術者養成に携わった。米国フロリダ州に発生したカリブミバエ対策およびカリフォルニア州に発生したチチュウカイミバエ対策に尽力したことが主な功績。「これまでのご支援に感謝する」とコメント。
|
(左)功績者表彰を受けた3氏(左から相原、青柳・高田氏)・(右)祝賀会会場から |
|