三井化学(藤吉建二社長)は9月29日、第一三共(庄田隆社長)傘下で、農業化学品事業を行っている三共アグロ(窪田隆一社長)を買収すると発表した。業界では、買収額を200〜300億円と見ている。
買収による三井化学の年間売上高は約400億円に達し、倍増することから最大手の住友化学に次ぐ2位グループに急浮上することになる。
同社は、中期経営計画において、機能性ポリマーズ、情報・電子材料、ヘルスケア材料からなる機能性材料分野の成長・拡大を目指している。
農業化学品事業は、ヘルスケア材料のコア事業となっており、主力の殺虫剤「トレボン」(有効成分:エトフェンプロックス)、「スタークル」(同:ジノテフラン)、殺菌剤「ネビジン」(同:フルスルファミド)を中心に積極的な事業展開をはかっている。
買収による効果は、三共アグロの幅広い製品ポートフォリオ(製品構成)が加わることによる品揃えの充実、三共アグロが培ってきた強力な販売網の有機的な活用による販売力の強化、研究開発の効率化とパイプラインの強化に集約でき、いっそう事業の強化・拡大を進めていく。
今後は営業体制の再構築、研究開発体制および関連会社の合理化などが注目される。縮小する農薬市場において業界再編をいっそう加速させる可能性がでてきた。
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