農薬工業会(窪田隆一会長、本部:東京都中央区、78会員)はこのほど、『平成18農薬年度の出荷実績』を明らかにした。数量で23万1000トン(前年度比97.9%)、金額で3309億円(同100.5%)となり、数量ではやや減少し、金額では微増となった。
使用分野別では、数量で水稲、果樹、野菜畑作、分類なしが減少し、その他は増加(同116.1%)した。金額で水稲(同100.4%)、その他(同109.8%)が増加し、果樹(同97.0%)、野菜畑作(99.8%)は減少し、分類なしは前年と同様であった。
種類別では、数量で殺虫剤、混合剤が増加し、殺菌剤、除草剤、植調剤は減少した。
剤型別の動向では、数量でDL、乳剤、液剤、その他が増加し、そのほかは減少した。金額では液剤、その他が増加し、そのほかは減少した。
「今年は、5月末に導入されたポジティブリスト制度に神経を使った1年だった。(金額の100.5%は)何とか減少に歯止めがかかっているかに見えるが、底が止まったわけではない」と窪田会長はコメントしている。
縮小する農薬市場。金額でピークだったのは、1994(平成6)年の4206億円。十数年で1000億円近く減少している。この間、業界はM&A(企業の合併・買収)やリストラ(事業再構築)で対応してきた。
外資系企業のM&Aは落ち着きを見せ、国内企業も来年には第2グループが誕生する。しかし、「このまま治まることはなく、既に第3グループの交渉が水面下では進んでいる」(業界通)との見方もある。業界には、流通在庫の整理を含め抜本的な合理化や体質強化が求められている。
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