農業協同組合新聞 JACOM
   
アグリビジネス業界ニュース

当期純利益9億4000万円(84.9%増) 事業競争力の強化へ邁進
《日本農薬》

 日本農薬(株)(大内脩吉社長)の『平成18年9月期決算短信(連結)』がまとまった。売上高368億3500万円(前期比4.2%増)、営業利益24億5300万円(同82.2%増)、経常利益20億7000万円(同112.4%増)、当期純利益9億4000万円(同84.9%増)と明るい。
 国内は、水稲育苗箱処理用混合剤『ブイゲットアドマイヤー粒剤』、『ブイゲットプリンス剤粒』、『ブイゲットプリンスバリアードL粒剤』および業界初の水稲いもち病と雑草の同時防除剤『ブイゲットダイナマン粒剤』の自社開発「ブイゲット」関連剤が貢献した(グラフ1・2)。
 また、水稲用除草剤『黒帯1キロ粒剤』、『黒帯フロアブル』が光っている。JA全農の独自農薬原体「オキサジクロメホン(MY−100)」を含有したもので、改めて、系統農薬事業牽引の一役を担っている。
 その他、緑地管理用除草剤『クサキング粒剤』、果樹用殺菌剤『サンリット水和剤』にも注目しておきたい。今期、新製品6剤を市場投入した。
 海外は、殺虫剤「アプロード」、水稲いもち剤「フジワン」、水稲用殺虫剤「バッサ」などが伸長した。特に中国、インド、ベトナムなどアジア地域で顕著な動きを示し、海外展開を底上げした。
 意外と健闘しているのが医薬品と有機中間体。特に、医薬品では水虫治療薬の『ラノコナゾール』、『ルリコナゾール』に注目か。
 今期の好連結業績について大内社長は、「新製品の市場投入、利益率の向上、全社的なコストダウンなどが相乗効果を生んだ。今後は、事業競争力を高めることに注力していく」とコメントしている。
 また、「今までは、足下を固めるのが精一杯だった。今後は、事業競争力をいかに高めていくかが大事」と大内社長。攻勢に転じる。「フェニックス」、「アクセル」、「コルト」と新製品の期待もある。
 次期連結業績見通しは、売上高385億円、経常利益18億円、当期純利益11億円。
 【解説】研究開発型企業を実践している日本農薬。新製品6剤の市場投入は、今期の好決算に大きく貢献した。本紙推定で、「ブイゲット」関連剤で今年度20億円以上の売上増を果たしたと思える。
 利益率の向上は、自社品のウエイトの高まりと全社的なコストダウンによる。現在の自社品比率は63%、原価率は1.6%に改善。自社品比率は、少なくとも75%にもっていくべきだろう。
早期希望退転などで「血」を流したと見られた日本農薬。結果論として成功した。敢えて、系統3社は同社の手法に見習うべきところがあるのではないかと思える。

(2006.11.30)


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