報農後援会(河野義明会長)の会誌『ろまん報農』第33号が発刊された。本号では『第11回IUPAC』、『第21回報農会シンポジウム』の全貌などを一挙掲載した。改めて、同会がわが国植物防疫事業の、地味ではあるが底辺を支えていると思える。
『第11回IUPAC農薬化学国際会議』は8月初旬、神戸国際会議場をメイン会場に行われた。4年に1度開かれる農薬化学に関する国際会議で、参加は52か国から2000名を超えた。4題の特別講演のほか、20セッション200題の講演に加え、約600題のポスター展示が行われた。
『第21回報農会シンポジウム』は、輸入作物を含む農産物における農薬残留問題に焦点を当てた。ポジティブリスト制度の施行を受けたもので、なかでも「植物病害制御に関する最近の話題」で特別講演した山口勇氏の講演がシンポ全体を盛り上げたと思える。
塩澤宏康氏(報農会事務局長)の「いじめ」問題に触れた編集後記の、「逆境に負けない強い精神力を持った人間に育つことが必要。親が常に子供を見守り、子供のささいな変化も見逃すことなく、日頃から何でも話し合える親子関係を築いておくことが大切」は印象的だった。
親子で、野菜でも、花でも、生きている植物を育ててみたい。子供達にとって、この意味でも植物防疫事業の果たす役割・使命とその責任は大きい。
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