クミアイ化学工業(株)(望月信彦社長、本社:東京・台東区)は12月20日、欧州における農薬販売・開発におけるいっそうの飛躍を目指すため、ベルギーに新たに現地法人を設立することを明らかにした。海外事業での3桁、100億円突破の可能性が見えてきた。
現地法人名は「K−Iケミカルヨーロッパ(株)」。欧州における農薬販売・開発の強化をはかるため、現在のロンドン駐在員事務所を発展的に解消し、イハラケミカル工業(株)との共同出資で設立する。
ベルギー・ブラッセル市(注)に拠点を置き、2007年2月の設立を目指すが、ロンドン駐在員事務所との引き継ぎなどがあることから、実際に動き出すのは6月頃になりそうだ。資本金は70万ユーロ(約9800万円)で、イハラケミカルとの折半出資。クミアイ化学2名、イハラケミカル1名、現地採用1名の陣容に。
農薬・化成品の輸出入・普及・販売、同製品群の開発・登録ならびに登録維持など欧州の各地域に密着した事業展開をはかっていく。
現在、同社の海外事業は「ノミニー」、「ステイプル」を中心に約80億円の実績となっている。そのうち、欧州の実績は約15憶円(約20%、本紙推定)と思われる。今回のヨーロッパ拠点の新設で、3年後には倍増の約30億円となることから、海外事業全体で約100億円に達する日はそう遠くないと思われる。
(注)ブラッセル市 ベルギーの首都。面積約162Km2、人口約97万8400人。公用語はオランダ語、フランス語、ドイツ語。ブラッセルには、「沼の中の居住地」の意がある。ロワイヤル広場に政治、経済が集中。ヨーロッパの中心的機能を果たす国際都市で、「小パリ」とも呼ばれている。
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