| 日本生協連くらしと商品研究室では、生協組合員を対象に、「年中行事とプレゼント」のテーマで、年中行事62項目について、インターネツトによるモニターアンケートを実施した。もっとも、生協が取り上げた年中行事62項目は、民俗学的な伝統行事に限ったものではない。クリスマス、バレンタインデー、母の日、運動会なども取り上げられている。
学問分野に「都市の民俗学」という分野がある。都市住民の基層文化を構成する習慣や生活行動様式を探るものだが、この生協調査は、「都市の民俗学」に関連する視点もあり、興味深い。
年中行事実施率をみると、年賀状を出す、正月に雑煮やおせち料理を食べる、年越し蕎麦を食べる、お年玉をあげる・もらう、クリスマスケーキを食べる、大掃除をする、などが上位を占め、80％以上の実施率だった。それらは、すべて年末年始に集中している。次いでバレンタインデー、母の日が続く。
年中行事の年齢別実施率をみると、母の日・父の日プレゼントは年齢が上昇すると下がる傾向があり、逆に土用の丑の日のウナギや、盆の墓参りなどは、上がる傾向が見られる。
日本国民の大半が農耕に係わっていたのは、半世紀前のことだが、田植えが年中行事の項目にも入っていない。早乙女の花田植えは、過去のものとなってしまったのだろう。隔世の感は否めない。
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