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5円の木づかい
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中堅コンビニの(株)ミニストップ(本社:東京都千代田区、社長:横尾博)はこのほど、弁当等の販売時に提供する「割箸」を1膳5円で販売する取り組みを始めた。
同社は、これまでに再生紙100%のトイレットペーパー、エコマーク認定のタオルシリーズなどの「グリーン商品」の販売を行うなど、企業の社会貢献として環境に配慮した商品開発などの取り組みを進めてきた。1膳5円の割箸は『5円の木づかい』とネーミングし、奈良県吉野地方のスギやヒノキの建築端材や間伐材を利用して作っており、それらの利用促進により森林の整備を進めようとする試みだ。割箸はサービスで提供されるのが当たり前という意識のなかで、客にどの程度受け入れられるか試行錯誤のスタートだった。
現在、直営店の4店舗での販売が始まっている。店では無料サービスの箸も用意し、店員が客に声を掛けどちらの箸を希望するか聞いている。4店舗で1日4〜5膳が販売され、購入する人はだいたい決まった人だという。「購入いただいているお客様はまだわずかですが、今後『5円の木づかい』が広がることを期待しています。環境を守る活動として、お客様と一緒になって長く取り組めると思います。木材の循環を進め森を整備するという環境に配慮した我々の姿勢が、多くのお客様に理解されるようPRにつとめたい」と、経営企画室IR・広報担当マネージャーの須藤和幸氏は語る。
今後は規模を拡大して、直営店(2月末現在163店)すべてで取り組み、年内には加盟店を含め1000店(2月末現在全国1723店)規模で実施する計画だ。当初は1日3000膳、将来は年間1億2〜3000万膳の販売をめざし、売上げの一部を山側に還元し森林の整備を進める。
現在、国内で消費される割箸は、林野庁統計(04年度)で年間248億膳。一人あたりでは年間200膳以上を消費していることになる。248億膳のうち97%以上は中国からの輸入で、国内で生産されているのは5億膳程度。
今年6月、▽原木の値上がり、▽人民元切り上げ、▽原油価格高騰による輸送コスト増、などを理由に中国国内での価格が引き上げられたことなどを理由に、中国側は20%以上の値上げを言明している。国内の割箸のほぼ全量を中国から輸入しているため、カントリーリスク回避は難しく、将来の値上げは避けられない状況にある。
一方、「今までが中国の供給過多と国内一部業者の安値攻勢により、販売価格は低下し続けた。今回の値上げは、今後日中双方の業界が健全な運営をしていくためには仕方がない面もある」との声も輸入業者の中にはあり、今後が注目される。
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