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「思いをカタチに」をテーマに講演する渡邊社長 |
(社)日本食品機械工業会(尾上昇会長)は、10月19日、東京国際フォーラムで、ワタミグループの渡邊美樹社長を迎え、「思いをカタチに」をテーマに、平成18年度時局講演会を開催した。
渡邊社長は居食屋「和民」をはじめ、介護、環境、農業、教育の各分野で事業を展開している。教育ではカンボジアなどの開発途上国に学校を作る事業を、NPO法人スクール・エイド・ジャパンの理事長として、積極的に推進しており、2005年度末までに、50校が完成しているという。
渡邊社長は、カンボジアでは、一人の子供が通学するのにかかる費用は、年間1000円であり、また300万円で学校を一棟建設することが出来ると述べた。自身の講演料なども、NPO法人の活動に廻しているという。日本の教育制度にも触れ、抜本的な教育改革には、バウチャー制度の導入、大学入試の廃止が必要と、熱く語った。
ワタミグループでは、店で提供する食材を、有機農産物にこだわって使用しているが、当初は、そんなことは出来ないと言われたらしい。「人は、出来ない言い訳を探すのが上手い。出来ないのなら、自らがやる」ということで、現在248haで有機栽培を実践しているという。牛肉も、サシの少ない健康な短角牛を取り扱っているとのことだ。
基本は客の立場、目線で考え、客のニーズに応えていくこと、そうした姿勢が多様な事業分野で貫かれている。医療・福祉に関しても「福祉の概念はやってあげる、だが、私たちはサービスであり、福祉を受ける人の立場で考え、手間をかける」。
また、「人間は夢を持つ。それを実現するには、夢に日付を入れて計画化することだが、夢は実現しなくてもかまわない。肝要なのは、人間性を磨くこと」と、来場者に自身の信念を語った。 |