北興化学工業(株)(丸山孝雄社長、本社:東京・中央区)の「平成18年11月期決算(連結)」が固まった。それによると、売上高428億9600万円(前期比0.2%減)、経常利益2億6400万円(同79.7%減)、当期純損失5億4000万円となった。
同社の事業は農薬、農薬以外のファインケミカルに大別される。農薬72.2%、農薬以外のファインケミカル27.8%のウエイト(グラフ1)。
国内農薬から見ると、育苗箱処理剤Dr.オリゼ混合剤は堅調な動きを示したが、主力の除草剤ホームラン剤は市場の縮小に加え、新規製品への切り替えが遅れたこともあり減少した。この中で、園芸用殺虫剤のスタークル剤は好調に推移した。
一方、農薬輸出はアジア向けが増加したことにより、売上が伸長している。ただし、家庭園芸用農薬は病害虫の少発生などにより減少した。
同社の農薬・種別のウエイトは、極めてバランスがとれていると思われるが(グラフ2)、ほぼ2年後(2009年)導入の殺虫剤、除草剤の動静によってはこの比率に変化が見られるのは必至と思われる。
農薬以外のファインケミカル製品は、いわゆる高度技術による「グリニヤール反応(試薬)」で親しまれている。電子材料関連原料、樹脂添加剤、自動車排ガス浄化用触媒原料の需要が伸び、医薬中間体の顕著な動きと合わせて売上に貢献した。輸出では、農薬を上回っている(グラフ3)。
経常利益が減益となったことに加え、埋設農薬無害化処理費用として10億2000万円を引当金として一括計上し、今般5億4000万円の当期純損失となった。環境問題にも積極的に取組む、同社の姿勢が注目される。
同社グループの次期業績予想は売上高440億円、経常利益6億円、当期純利益3億5000万円を見込んでいる。
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