(財)報農会(岩本毅理事長、本部:東京都小平市)はこのほど、5名の農業大学校生に対し平成18年度の奨学金の贈呈を固めた。
伝統ともなっている奨学金制度だが、同会の農業を志す若者たちへの支援事業活動に対して、業界は大きな拍手を贈るべきではないのか。受賞者は、延べ110名におよぶ。改めて、農業後継者育成・支援に貢献していると評価していいのではないだろうか。
同奨学金は、植物保護に関心をもち、農業後継者として科学的知識や技術を深めるために、県立農業大学校などに在籍して優秀な研究を行った農家子弟に対して贈られるもので、制度の発足は(旧)日本特殊農薬製造(株)(現バイエル クロップサイエンス(株))(注)の貢献が大きい。
昭和58年度(1983年)の発足以来、今回で24回目に当たり、受賞者は延べ110校110名におよび、全国各地域で活躍している。
【平成18年度の受賞者と調査研究課題】
◇「リンゴふじのハダニ類における天敵農薬およびデンプン由来殺虫剤の防除効果について」 福島県農業総合センター農業短期大学校2年(園芸学科果樹専攻)上田和弥
◇「シクラメンのわい化剤散布による草姿改善の検討」 栃木県農業大学校2年(園芸学科花きコース鉢物専攻)小倉郁美
◇「花壇苗を用いた屋上緑化における保湿剤と断熱資材の効果の検討」 滋賀県立農業大学校2年(花き専攻)井入るみ
◇「欧州系ブドウの無核化に関する試験」 島根県立農業大学校2年(園芸畜産科果樹専攻)宮崎達也
◇「熱帯果樹類の害虫発生状況の把握」 沖縄県立農業大学校1年(園芸課程果樹コース)大城良太
(注)バイエル クロップサイエンス(株) 前身の(旧)日本特殊農薬製造(株)の設立は1941(昭和16)年のこと。現在、除草剤の「イノーバ」が優先的地位にあり、殺虫剤の「アドマイヤー」はその高い効果と優れた安全性から世界中で使用されている。
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