出光興産(株)(天坊昭彦社長、本社:東京・千代田区)はこのほど、主力となっている微生物防除剤の『ボトキラー水和剤』において、適用病害として「なし黒星病」を追加した。微生物防除剤分野で、「なし黒星病」への適用は業界初。
なしの重要病害の1つともなっている「黒星病」は、果実や葉に淡褐色や黒色の斑点が生じて、すす状になる病害。斑点部分は壊死し、果実に伝染した場合は、出荷できなくなることもある。
これまでは、病原菌が付着して伝染源となる落葉の処分、また発病部の除去、さらに化学農薬による開花期前の定期的防除などを行っているが、一部で化学農薬の有効成分が効かない耐性菌による防除効果の低下が課題となっている。
『ボトキラー水和剤』は、既存の化学農薬に対する耐性菌にも予防効果があり、かつ使用回数に制限がないことから、広くポジティブリストにも対応している。また、安全性に優れた微生物のバチルス ズブチリス菌を有効成分としていることから、環境に優しい微生物防除剤に仕上げられている。
本剤を予防的に散布することで、バチルス ズブチリス菌が病原菌よりも先になしの表面に定着し、黒星病の被害から守ってくれる。
1999年から市場投入された『ボトキラー水和剤』。野菜類の灰色かび病やうどんこ病、シクラメン・ぶどう・かんきつの灰色かび病で幅広く農薬登録を取得し、根強いファンが着実に増えている。今回の追加により、トマト・なすなどの野菜類だけでなく、なしの生産農家における減化学農薬栽培を促進し、いっそう「食の安全・安心」のニーズに応えていくことになる。
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