|
新役員が紹介された |
|
窪田社長(左)と談笑するJA全農の
中澤農薬課長(右) |
三共アグロ(株)は4月19日、東京都文京区の東京ドームホテルにおいて『新生三共アグロ披露パーティー』を開催した。会場には日植防、残研、日植調、JA全農、全農薬、農薬工業会など業界関係者約260名が集まり、新生会社の船出を祝った。
同社は4月1日、変化する業界環境に柔軟かつ積極的な対応をはかるため三井グループの一員となり、研究開発型企業としてよりいっそうの成長発展を目指すこととなった。2月には、三共ライフテック(株)からアメニケア事業(生活環境事業)を引き継ぎ、農業分野と合わせ事業の幅を拡大していく。
冒頭、三井化学(株)の富永紘一副社長は、「三共アグロは86年の歴史を誇り、業界で確固たる地位を築いている。当社の経営資源を合わせることで研究開発のスピードアップ、営業の強化、海外展開などシナジー効果の早期発現ができる」と挨拶。
また、三共アグロ(株)の窪田隆一社長は、第一三共(株)の医薬への特化戦略の中で新生三共アグロが生まれたとするなか「三共時代の三共アグロから三井化学の三共アグロは、一味違ったものに育てていきたい」と抱負を語った。
「三共農薬」は、三共(株)が1921(大正10)年に、わが国初の合成農薬「コクゾール」の製造・販売を開始したことに端を発する。以来、86年の長きにわたり、農薬の研究・製造・販売を通じて農作物の安定生産に寄与してきた。
ちなみに、農薬取扱い会社の老舗は日産化学(明治43年)、サンケイ化学(旧鹿児島化学研究所・大正7年)、クミアイ化学(旧柑橘同業組合・昭和3年)、日本農薬(同)、日本曹達(昭和8年)、日本化薬(昭和9年)、協友アグリ(旧八洲化学・昭和13年)、バイエル(旧特農・昭和16年)などとなっている。
三共アグロ(株)の強みは数多くある中で、2つに集約できるのではないか。
1つめは、安全性の高い農薬の研究開発に加え農薬の製剤技術もハイレベルなものを所有していたこと。
「タチガレンによる育苗技術」は圧巻だった。本剤は、苗立枯病の防除と健苗育成効果を併せもち、当時普及し始めた水稲機械移植の普及に大きく貢献するとともに、農家の水稲移植(手植え)の重労働から解放した。
|
締めの挨拶を行う
渡辺常務 |
その他、「DL粉剤によるドリフト防止技術」、「ピラゾレート剤による水田一発除草剤」、「水田投込除草剤」などの革新的技術が挙げられ、農薬の安全性確保とともに農作業の省力化に大きく貢献してきた。
2つめは、営業戦略の構築を挙げたい。このことは業界全体が認めるところであり、系統とのパイプを強固なものに伸展させる中で、商系卸は同社が育ててきた感がある。現在の取引卸数は、約70社。
なお、4月に昇任した渡辺信行常務が「今後とも、新生会社へのご支援ご鞭撻を賜りたい」旨、締めの挨拶を行っている。
|