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アグリビジネス業界ニュース |
微生物防除剤「タフブロック」発売へ 5年後の普及面積50万haを目指す 《出光・協友・北三》 |
「苗半作」という言葉が示すとおり、高品質・高収量な稲生産を実現するためには「健苗育苗」が基本。この健苗育苗においては、特に種子感染性の病害である、いもち病、ばか苗病、苗立枯細菌病、もみ枯細菌病、褐条病の5大病害が問題視され、化学農薬を中心に日進月歩の闘いが繰り広げられ、功績を挙げてきた。 こうしたなか、近年では環境に配慮した持続性の高い農業に対するニーズが生産者、消費者ともに高まってきている。この取組みは、例えば「エコファーマー」などの実践に象徴され、その件数は2007年3月末で約13万件に上る。 「タフブロック」の有効成分はタラロマイセス フラバス菌で、栃木農試が発見した「かび」の仲間。病原菌を直接殺菌するのではなく、種もみの表面で素早く増殖し、苗づくりの期間中、病原菌の活動を抑制することで、病害の発生を予防する。 「タフブロック」を使用した苗のもみ殻には、有効成分がはっきりと「黄色いコロニー」として確認でき、本製品の特徴を象徴している。 この分野では、絶えず耐性菌が問題視されるが、病原菌の本剤に対する耐性菌の発生はほとんど見られない。また、使用回数の制限がないなど、安全性が高く、環境にもやさしい防除剤に仕上げられている。 さらに、近年、普及が進みつつある温湯消毒法とのコンビネーションにおいても、高い効果が期待できる。 「タフブロック」の発売は、明年1月から。当用期に合わせ設定されたもの。取扱いは出光興産(商系)、協友アグリ(系統)、北海三共(北海道・系統)となっている。いもち病、ばか苗病、苗立枯細菌病、もみ枯細菌病、褐条病の5大病害に適用拡大されたことで発売に踏み切る。価格は、「本剤のもっているパフォーマンスに合わせた価格設定になる」(出光・尾川新一郎農業資材担当)という。 この分野の市場は、土壌消毒を合わせ最大約80億円と見られる(本紙推定)。同社では、キメ細かな技術普及を展開する中、苗立枯病などへの適用拡大を視野に入れ、5年後の普及面積約50万haを目指していく。
同社は、トマトやイチゴなど野菜類の病害向けに、「ボトキラー」や「タフパール」などの微生物防除剤を手掛けている。稲への展開は、今回が初めて。「タフブロック」の発売により、「稲の栽培でも、食の安全・安心のニーズに応えていきたい」(同)と、今後の抱負を語っている。 【出光興産・四位敏章アグリバイオ事業部長の談話】 【協友アグリ・大塚範夫専務の談話】 協友アグリの事業方針に『IPM防除体系の推進』がありますが、この度『タフブロック』の系統販売を協友アグリで行わせて頂くこととなりました。これにより、更なる基盤強化となると期待しています。 |
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(2007.9.19) |
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