東京ドームで開催されていた『世界らん展日本大賞2007』(世界らん展日本大賞実行委員会主催・注)が4日、盛況の裡に閉幕した。昨年並みの延べ約43万5000人が入場したが、若い女性の姿が目立ち、らん展全体に新風を呼んだ。
今年の、惜しげもなくふんだんに蘭を使った展示を行うオーキッド・ロードのテーマは「ギリシャ神話」。蘭の語源となった「オルキス」や頭髪が無数の毒蛇で知られる魔物「メデューサ」など、ギリシャ神話に由来した蘭の展示が行われ、人気を呼んだ。
特に、太陽の神「アポロン」と月の女神「アルテミス」を同ロードの左右に配したのは圧巻だった。
栄えある日本大賞に輝いたのは、青森県十和田市在住の小泉進さん(70歳)で、受賞花名は「ゴールドシュミッティアナム‘コイズミ’。エントリー数1153の最高峰に立った。民間路線バスの運転手だった小泉さん。「(受賞を)全く夢のようです」と記者団に語っている。
台湾からフィリピンにかけて自生するするデンドロビュームの原種。「これまでの、デンドロビュームの常識を覆す、花の総数4000輪を越えた大作」(審査講評)が受賞の決め手となった。愛好者仲間からは、「デンドロビュームの達人」と言われている。
日本大賞と同時に栽培賞も受賞したが、「今までにない、この種としては世界最大級の作品」(同)と絶賛。得点は、255ポイントだった。
世界らん展日本大賞は、今年で17回を数え、出展総数約3000種・10万株を超える規模にふくらんだ。
なお、開会式には高円宮妃久子殿下も来場され、東京ドームに広がるらんの世界に親しまれた。
(注)読売新聞社、NHK、世界らん展組織委員会で構成。
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(左)日本大賞受賞花
(右)受賞の喜びを語る小泉さん |
高円宮妃久子殿下もご来場された |
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