農業協同組合新聞 JACOM
   
アグリビジネス業界ニュース

「未来につなぐ農のチカラ」
食と環境をどう守っていくのか
《フォーラム委員会》

「対話形式」で成功したフォーラム
「対話形式」で成功したフォーラム

 『食と地域を考えるフォーラム「未来につなぐ農のチカラ」』(主催:食と地域を考えるフォーラム委員会・注)が11月17日、東京・有楽町のよみうりホールで開催され、約1050名が参加した(写真提供:読売新聞社)。
 同フォーラムは、農業の現場にスポットを当てながら、食の安全・安心をめぐる新しい動きと、環境と景観を守ることを通して地域の暮らしを支える手がかりを探ったもの。
 第一部の「安全で豊かな食を守ること」では、千葉大学大学院の本山直樹教授がタレントの西村知美さん、柏染谷農場代表の染谷茂さん、イオントップバリュ(株)の植原千之グリーンアイ商品本部長を迎え、食の安全・安心について現場での取組みをもとに対話した。
 生産者代表としてかけつけた染谷さんの体験、取組みに感銘を受けた西村さんは「農家の皆さんは、自分の農産物に誇りをもって生産に取組んでほしい」とエールを贈った。
 第二部の「ふるさとの環境と景観は守れるのか〜持続可能な農村をめざして〜」のパネルディスカッションには、タレントの岸ユキさん、東京大学大学院の鈴木宣弘教授、作家の立松和平さん、NPO法人田舎のヒロインわくわくネットワーク代表の山崎洋子さんが出席し、NHK解説委員の合瀬宏毅さんがコーディネートした。
 ディスカッションは、中山間地の農村(例えば、棚田)などの景観を持続できるかを皮切りに、農村と都市との関係、食料の確保、農村生活への理解の重要性などですすめられた。
 立松さんは、「流通を見直して、農村で作ったものがきちんと都会に届くようにする、農家と消費者のコミュニケーションをはかる必要がある。農家はただ作るだけ、消費者は安いものを買うだけの感覚ではつながりがないのではないか」とした。
 また、鈴木教授は「農村を守るには補助金だけではなく、農村にある価値、まだ評価されていない価値をビジネスチャンスとして企業に売り込み、企業もボランティアだけで農村を支援するといった気持ちではなく、相互に生かすことを考えなくてはならない」と語った。
 なお、フォーラムの詳細は12月30日付け読売新聞朝刊で掲載される予定。
 (注)NHKエデュケーショナル、読売新聞社、JAバンクアグリ・エコサポート基金で構成。

西村さん
立松さん
鈴木教授
西村さん
立松さん
鈴木教授
(写真提供:読売新聞社)

(2007.11.21)



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