|
挨拶をする井上会長 |
農薬工業会(井上克信会長、本部:東京都中央区、76会員)は1月7日、経団連会館において『平成20年農薬工業会賀詞交歓会』を開催し、引き続き透明性に留意した公正な活動を展開することで、農薬における社会的信頼のいっそうの向上などを改めて確認した。
同会では、農薬が安定的な農業生産にとって必要不可欠な資材であることを前面に出し、時代とともに求められている社会的ニーズに応えるべく、農薬の研究・開発などの努力の積み重ねを使命と捉え、農業における農薬の役割を改めて自覚するなか、「農業振興にとって必要かつ欠くべからざる適切な農薬を、農業の現場に供給するという責務を的確に果たして」(井上会長)行こうとしている。
業界が直面している大きな課題は、農水省における作物残留・薬効・薬害試験などの農薬登録申請にともなう各種試験成績の一部について、平成19年度中にGLP制度(優良試験所基準)を導入することにより、民間開放を推進する施策の進展。
また、いっぽうで国際的な調和をも念頭においた農薬行政の刷新についても検討が行われており、作物残留試験例数の大幅な増加が提案されている。
農薬行政の新たな取組みについて、同会では可能な限りの協力姿勢で臨むことにしているが、国際基準の国内への導入に当たっては、「日本の農業生産にマイナスな影響をおよぼさないことを第一義に、実行可能な制度の構築を強く要望」(同)している。
「蓄財」や「繁栄」の意味をも持つ「ね年」。植物防疫事業および農薬産業の将来を方向づける重要な1年になりそうだ。
|