出光興産(株)(天坊昭彦社長、本社:東京都千代田区)は1月28日、水稲の種子感染性病害を予防する微生物防除剤『タフブロック』の全国展開を開始した。農薬成分にカウントされない水稲種子消毒剤で、従来の園芸場面に加え水稲場面にも進出を果たした。
『タフブロック』は、栃木県農業試験場が発見したタラロマイセツ フラバス菌という自然界に存在する天然の有用微生物を有効成分としており、極めて安全性が高く、環境にもやさしい防除剤に位置づけられ、水稲の5種類の病害(いもち病、ばか苗病、苗立枯細菌病、もみ枯細菌病、褐条病)に対して、その高い防除効果をいかんなく発揮する。
作用は、もみ表面に付着・増殖し、病原菌の増殖・侵入を防ぐというもので、使用回数に制限がなく、農薬成分としてカウントされないことが最大の魅力。また、低温条件でも効果にフレが生じにくく、苗の生育に悪影響を与えないほか、保存性に優れ、取扱いやすい製剤に仕上げられている、などの特長がある。
今後は、苗立枯病など土壌病害への適用拡大をはかっていく。
ちなみに、昨年、日植防が実施した東北、北陸などの主要なコメ産地における公的試験においても、『タフブロック』が寒地・寒冷地の慣行栽培において問題なく使用できることが実証されている。また、近年、普及が進みつつある温湯消毒法との組み合わせにおいても、安定した効果が発揮されることも確認されている。
同社では、「新潟県中越エリアをはじめ、全国有数のコメ産地における特別栽培米生産者を中心に早くも採用が進んでおり、今後、全国の減農薬栽培を指向する生産現場へ、迅速に普及展開をはかっていく」(広報室)という。
流通チャンネルは、系統が協友アグリ、北海三共の2社、商系が出光興産となっている。
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