農業協同組合新聞 JACOM
   
アグリビジネス話題の製品

人気呼ぶ「ブイゲット」
品揃えで生産者ニーズに対応
《日本農薬》

 日本農薬(株)(大内脩吉社長、本社:東京都中央区)が独自開発した新規の浸透移行性いもち病防除剤「ブイゲット」が人気を呼んでいる。チアジニルを有効成分とするチアジアゾールカルボキサミド系の化合物で、抵抗性誘導型の作用を有する成分としては国内で2番目。
 有効成分は、いもち病菌に対して直接抗菌力を示さないが、本剤を吸収した稲は病害防御機能が高まり、いもち病にかかりにくくなる。このため、栽培期間を通じて、長期間にわたりいもち病菌の感染から稲を保護する。
 「ブイゲット」には、単剤として本田いもち剤の『ブイゲット粒剤』、箱剤の『ブイゲット箱粒剤』の2剤、混合剤として箱剤の『ブイゲットアドマイヤー粒剤』、『ブイゲットプリンス粒剤6・10』、『ブイゲットバリアード粒剤』、『ブイゲットグランドオンコル粒剤』、『ブイゲットアドマイヤーリンバー粒剤』、『ブイゲットアドマイヤースピノエース』の6剤がラインナップされている。
 箱剤の歴史は1970年代から始まり、単剤、殺虫殺菌混合剤、長期持続型剤と変遷を重ね、最近では溶出制御技術の応用も見られ、効果面はもとより、本来の機能である省力化のグレードをいっそう高めている。
 総合防除剤に位置づけられる「ブイゲット」混合剤は、生産者ニーズに幅広く対応するために品揃えが進められてきたが、今後ともいっそう「多様化するニーズを視野に入れた新規剤を生産者に提供していきたい」(同社マーケティング部)という。
 現在、いもち病防除剤が入った箱剤市場は約200億円と見られる。同社では、「地域の実態に即した技術普及を展開」(同)し、将来的には市場の約10%のシェア獲得を目指していく。
 「ブイゲット」は、「フジワン」(殺菌剤)、「アプロード」(殺虫剤)をはじめ、「エコパート」(除草剤)に至る農薬開発を通して培われてきた総合研究所の人材と技術の結晶でもある。海外展開も予定されている「NNI−0001」(「フェニックス」)に代表される殺虫剤3剤も見えており、「研究開発型企業」を目指す同社のリズミカルな鼓動が伝わってくる。

ブイゲットプリンス粒剤10 ブイゲットプリンス粒剤6 ブイゲットアドマイヤー粒剤
箱処理はこれで決める。主力製品の『ブイゲットアドマイヤー粒剤』(写真右)と『ブイゲットプリンス粒剤6・10』(写真中央・左)

(2005.6.24)


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