住友化学(株)は6月28日、琉球産経(株)(新垣勲社長)と共同開発を行い、2005年6月22日付けで登録を取得していた天敵農薬『ミドリヒメ』(商品名)の販売を開始した。ハモグリバエ類に対し高い防除効果を示し、IPM防除体系の製品拡充へ貢献するものと思われる。
『ミドリヒメ』の有効成分は、ハモグリバエ類の寄生ハチ(天敵)であるハモグリミドリヒメコバチ。このハチは日本に広く分布しており、10数種類以上の土着種が知られているハモグリバエ類の寄生ハチの中でも優先種とされている。この商品は、この成虫25頭を15mlのプラスチックボトルに入れた製品。
既に、琉球産経はこの『ミドリヒメ』を、沖縄県を中心にIPM(総合的病害虫・雑草管理)や減化学農薬栽培を志向する農家を対象に販売していたが、住友化学が協友アグリ(株)(淺山哲夫社長)とともに、トマト、ナスを中心とした施設栽培分野での普及を目指し全国展開を行うことにしたもの。
琉球産経が製造を行い住友化学が商系ルートで、協友アグリが系統ルートで販売する。
住友化学は『ミドリヒメ』に影響が無く、他の天敵にも影響が少ない『プレオフロアブル』を手掛けている。同社は、減化学農薬栽培の手法として注目を集めているIPMに注力し、BT剤や天敵農薬などの開発を強力に進めている。
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