BASFアグロ(株)(ハンス・ヨアヒム・ローエ社長、本社:東京都港区)はこのほど、自社開発のオリサストロビンを有効成分としたストロビルリン系の新規殺菌剤「嵐」剤の農薬登録を取得した。待望の新規殺菌剤で、その普及展開が注目される。
「嵐」剤は、イネのいもち病と紋枯病の防除剤。本剤は、イネ体への菌糸侵入や菌糸伸長を妨げるなどの作用にすぐれ、いもち病と紋枯病の発生を予防的に、長期間抑制する。
本田処理剤の『嵐粒剤』は、2000(平成12)年より全国各地のほ場で試験が行われてきたが、オリサストロビン1成分でいもち病と紋枯病に極めて有効であり、かつ長期間にわたり効果が維持されるため散布回数を低減できることから、時代に適合した薬剤であることが確認された。農薬登録の取得は8月16日。
「嵐」剤には『嵐粒剤』(有効成分:オリサストロビン、取扱会社:BASFアグロ)のほか、育苗箱専用の『嵐ダントツ箱粒剤』(同:クロチアニジン・オリサストロビン、同:BASFアグロ、住化武田農薬)、『嵐プリンス箱粒剤10』(同:フィプロニル・オリサストロビン、同:BASFアグロ)、『嵐プリンス箱粒剤6』(同:フィプロニル・オリサストロビン、同:BASFアグロ)の3タイプがある。
特に、育苗箱専用殺虫殺菌剤の3タイプは、水稲の主要害虫に加えいもち病から紋枯病まで防除することから、従来の育苗箱剤の考え方を一新することになる。JA全農の大型規格品に取り上げられることにもなっており、その価格設定が注目される。
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